Sightsong

自縄自縛日記

「ルネ・シャールを語る夜」(野村喜和夫+桑田光平)@千駄木ブーザンゴ

2023-09-09 10:26:05 | 思想・文学

千駄木のブーザンゴで「ルネ・シャールを語る夜」(詩人の野村喜和夫さん、フランス文学の桑田光平さん)。

野村さんはむかしからファンで、拙著の出版記念イヴェントでも詩を朗読していただいたのだった。

野村さんはシャールのことをランボーのあとに来た大地の詩人だと位置づけ、それもあって埼玉で生まれ育った野村さんは根拠のようなものをシャールの詩に見出したのだという。シャールのプロヴァンス、宮沢賢治のイーハトーヴ、野村さんにとっての埼玉が(小さくても)詩的大地であり、(小さくても)川があった。

シャールは驚くほどの女好きでもあった。かれを野村さんは「現代詩のカサノヴァ」、「現代詩のゼウス」と呼び、詩人にとっての大地と結びつけて「シャールがピュシスであったのでは」と指摘する。それどころか、女性との関係をめぐってシュルレアリストたちと諍いがなかった(らしい)ことをもって「交換の記号にしていたのでは」と。おもしろいなあ。

シャールの詩にあるアフォリズム的なものについて質問しようと思ったら会場の専門家から発言があった(素人が間抜けなことを言わなくてよかった)。野村さんによれば、あえてフレーズからフレーズへの連続性をもとめないことで断片性が豊かになっているのだ、フラグメントでしか書けない世界の真実があるのだ、と。

●参照
天沢退二郎
石原吉郎 - 野村喜和夫
松本泰子+メアリー・ダウマニー+丸田美紀@音や金時
松本泰子+庄﨑隆志+齋藤徹@横濱エアジン(『Sluggish Waltz - スロッギーのワルツ』DVD発売記念ライヴ)
野村喜和夫+北川健次『渦巻カフェあるいは地獄の一時間』


コレクション展「生誕120年 森茉莉」@森鷗外記念館

2023-09-05 08:27:17 | 思想・文学

千駄木の森鴎外記念館でコレクション展「生誕120年 森茉莉」。

和服の中でひとりだけハイカラな洋服の茉莉。原稿もいくつか展示してあって、最初は極細の万年筆、晩年の『ドッキリチャンネル』なんかはボールペンかな?

むかし読んでもう手元になかったので、文庫オリジナルの『貧乏サヴァラン』をあらためて買ってきた。美味しいものについては借り物でないことばで、そして自分自身のカッコよさについても臆面もなく書いている。ぜんぶ素敵。

「私は食いしん坊のせいか、スウェターの色なぞも、胡椒色、ココア色、丹波栗の色、フランボワアズのアイスクリーム色なぞがすきで、又似合うのである。」


コスモポリタン、トリスタン(JazzTokyo)

2023-09-04 08:34:24 | アヴァンギャルド・ジャズ

>> コスモポリタン、トリスタン by コントリビューター 齊藤聡 – JazzTokyo

●トリスタン・ホンジンガー
トリスタン・ホンジンガー+本藤美咲+宮坂遼太郎@公園通りクラシックス(2023年)
ICP+Waterlandse Harmonie@アムステルダムBimhuis(2019年)
ジャスト・オフ『The House of Wasps』(2015年)
「KAIBUTSU LIVEs!」をエルマリート90mmで撮る(2)(2010年)
「KAIBUTSU LIVEs!」をエルマリート90mmで撮る(2007年)
トリスタン・ホンジンガー『From the Broken World』、『Sketches of Probability』(1991、96年)
セシル・テイラー『Corona』(1996年)
ICPオーケストラ『Bospaadje Konijnehol』の2枚(1986-91年)
浅川マキ『Stranger's Touch』(1989年)
1988年、ベルリンのセシル・テイラー(1988年)


松井節子インタビュー(JazzTokyo)

2023-09-04 08:32:52 | アヴァンギャルド・ジャズ

>> Interview #268 松井節子 – JazzTokyo

●松井節子
中村誠一+松井節子+沼上励+村田憲一郎@行徳ホットハウス(2021年)
松井節子@行徳ホットハウス(2021年)
松井節子@行徳ホットハウス(2021年)
松井節子@行徳ホットハウス(2021年)
中村誠一+松井節子+沼上つとむ+小泉高之@行徳ホットハウス(2020年)
澤田一範+松井節子+小杉敏+渡辺文男@行徳ホットハウス(2019年)
安保徹+松井節子+小杉敏+村田憲一郎@行徳ホットハウス(2019年)
澤田一範+松井節子+小杉敏+村田憲一郎@行徳ホットハウス(2019年)
中村誠一+松井節子+小杉敏+村田憲一郎@行徳ホットハウス
(2018年)


インプロヴァイザーの立脚地 vol.11 中村としまる(JazzTokyo)

2023-09-04 08:30:56 | アヴァンギャルド・ジャズ

>> インプロヴァイザーの立脚地 vol.11 中村としまる – JazzTokyo

●中村としまる
中村としまる+沼田順+サム・アンドレア+竹下勇馬@なってるハウス(2023年)
スザナ・サントス・シルヴァ+中村としまる@不動前Permian(2023年)
Entropic Hop/日本ツアー・関東の陣(JazzTokyo)(2023年)
"Scenic View Noise Festival" Pre Event@幡ヶ谷ForestLimit(2022年)
中村としまる+山本達久+坂口光央@新宿ピットイン(2020年)
エリザベス・ミラー+クレイグ・ペデルセン+秋山徹次+中村としまる@Ftarri(2018年)
クレイグ・ペデルセン+中村としまる、エリザベス・ミラー+広瀬淳二@Ftarri(2018年)
フタリのさとがえり@Ftarri(2018年)
Sound of the Mountain with 秋山徹次、中村としまる『amplified clarinet and trumpet, guitars, nimb』(JazzTokyo)(2017年)
竹下勇馬+中村としまる『Occurrence, Differentiation』(2017年)
クレイグ・ペデルセン+中村としまる@Ftarri(2017年)
広瀬淳二+中村としまる+ダレン・ムーア@Ftarri(2017年)
Spontaneous Ensemble vol.7@東北沢OTOOTO(2017年)
中村としまる+沼田順『The First Album』(2017年)
内田静男+橋本孝之、中村としまる+沼田順@神保町試聴室(2017年)
『OTOOTO』(2015、17年)
山内桂+中村としまる『浴湯人』(2012年)
中村としまる+ジョン・ブッチャー『Dusted Machinery』(2009年)


『玄海灘』

2023-09-04 08:26:41 | 韓国・朝鮮

調布市せんがわ劇場で演劇『玄海灘』を観てきた(原作:金達寿、脚色:有吉朝子、演出:志賀澤子)。

1943年の植民地朝鮮。日本からの独立運動を行う者も日本に媚びる者もいる。しかしほとんどの者はそのあいだで揺れ動いている。統治側もある者は高圧的、ある者は同情というパターナリズムから抜け出すことができない。断絶をなまなましい形で示す舞台だった。

以前に金達寿の原作を買ったら本人の署名が入っていた。独特の字で、数年前に神奈川近代文学館の「生誕100年・金達寿展」で原稿を見たら、「寿」の丸め方が「み」や「あ」と同じで、嬉しくなってしまった。

●金達寿
生誕100年・金達寿展@神奈川近代文学館
『金達寿小説集』
金達寿『玄海灘』
金達寿『朴達の裁判』
金達寿『わがアリランの歌』