想像していたよりぐんと硬派で、しかも「報道とは何か」という重いテーマが全編に渡って繰り広げられるので、そのことにまず驚いた。
最近これほど直球の硬派演劇を見たことがなく、しかも2時間を超え、また劇の舞台がエルサルバドルという中米の地味な国での話なので、よくこんな題材を選んだもんだとある意味感心する。(これは褒めてます。)
報道の本質。テレビメディアの嘘と真実、そしてつきまとう娯楽性。現場で撮られた映像とか写真の本質的意味。人の死、それさえ、お茶の間の楽しみへと変貌するそのメディア論。等々、この演劇から放たれた問題意識は強く、重い。そしてそれでも彼らは真実を求めて日夜死を背に報道に対峙してゆくのであった。
子供時代、あまり世の中のことが分からなかった頃だが、僕は将来特派員になりたかったことを思い出す。それが今はこのざま。でもそんな純な気持ちを持った云十年前にこの演劇は僕を戻してくれる、、。
力強い秀作である。
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