セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 96本、 演劇 72本

Masui Studio「アビゲイルのパーティ―」(作 マイク・リー・演出 桝井智英) at聖天通劇場 85点

2024-08-24 19:14:10 | 演劇遍歴

小さな劇場公演だが、中身はどっしり演劇臭が詰まっている秀作劇です。夫婦という仮面の中に息づく人間のもろもろの本性を暴いてゆくその手法はやはりアメリカ、イギリスの方が優れていますね。

この種の劇は映画化されているようで、この作品も「地獄のパーティ」として上演されたらしいが見逃している。古くは「ヴァージニアウルフなんか怖くない」など、作家は違えど、名作もあった。この作品のマイク・リーといえばイギリスの映画作家で超有名な監督がいるが同一人物だろうか、、。

さてこの劇、小道具を極力排しているので俳優陣はパントマイムを強制されているが、結構その仕草等が面白く、なかなか魅力を持たらしていた。でも何より夫婦の形態が人間を逆に阻害させているというテーマ(?)は夫婦生活云十年の吾輩が日常的に経験しているもので、まさに辛酸を舐める心情がストレートに伝わってくる。怖い。けれど演劇的にも面白い素材であることがわかる。

5人の俳優陣はまさに最高の演技。凄みが観客に伝わってくる。今年の拾い物演劇である。素晴らしかった。桝井智英さん、ありがとうございました。


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