こういう社会派映画って、評価が難しい。どうしても映画の作品の出来より、現実の事実に重きが置かれてしまうからだ。強制児童移住という行為が何故大英帝国で行われていたのか、、。
いろんな事由で子供を手放された子供たち(白人の子供)が、親には養子と言いながら、実は遠く離れたオーストラリアについ最近まで移住されていたという事実。そこでのきつい労働と虐待。戦時中の話ではない。つい1970年ごろまで行われていたという。
けれど映画では何故そういうことが行われていたのか、観客には教えてはくれない。イギリスでは周知のことだからかもしれないが、私には分らず、結局この疑問が最後まで残ってしまっている。累積13万人というからどう考えても秘密に出来ることではないだろう。これが続いていたということ自体不思議ではあるが、13万人の親から疑問が掲げられなかったことはもっと不可解である。
映画は老いてはいるものの筋肉隆々たる【エミリー・ワトソン】の奮闘ぶりを描いて魅せてはくれるがどうもすっきりしない。これは映画の演出以前の問題ではなかろうか、と思うのである。映画は最後まで一気に見られる出来は保っている。
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