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コンブリ団「ムイカ」(脚本・演出 はしぐちしん)(於ウイングフィールド) 85点

2012-04-05 13:10:15 | 演劇遍歴

舞台設定がウイングフィールドのど真ん中。客席はいつもは舞台である場所とその対面の2か所にしつらえてある。僕はいつもは舞台である位置に座っている。何か不思議な感じ。そうか、舞台から客席を見るとこうなるのか。何か嬉しいようなこそばい感じがする。

不定形三角形の舞台に天井から一本の赤い棒。何が何だか分からない。(これは後で気づくことになるのだが、、)はしぐち氏の開演前の挨拶からそのまま物語は広島案内へと移る。広島は彼の郷里らしい。何度も広島に行っている僕は、そうそう、そうと肯いている。広島を知らない人にはちんぷんかんぷんだろう、、。

明瞭なセリフとよどみのない話しっぷりに緊張感が俄然高まる。スゴイ導入部である。何気ない日常から非日常へと移る瞬間、、。

途中日替わりゲストの山彬(悪い芝居)が闖入する。はしぐち氏が「広島って何を思い浮かべますか?」と尋ねる。山崎氏は「カープですね。」それから野球話が続く。ちょっと緊張感が緩む時でもある。

でも、広島って野球より普通は原爆だろう、なあ。山崎氏はこの物語を知っているのでそう答えたんだろう。はしぐち氏の観客へのサービスタイムなんだろうが、ちょっとたれる。

それからこの話はヒロシマのその時までの日常を切り取った物語だということに観客は気付いてくる。「ムイカ」という題名も僕は最後の方まで分からなかった。本当にお恥ずかしい、、。

この題材は映画でもあった「TOMORROW」に設定が似ていますね。感動の内容が似ています。静かな訴えです。祈りです。闘いです。広島の人以外ではなかなか作れない訴求力があります。

とても質の高い舞台であった。これで1500円。いやあ、とても申しわけないほど充実した時間でした。感謝感激。


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