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toy-2 Produce「いかけしごむ」(演出戒田竜治 脚本別役実) 75点

2010-05-07 11:19:18 | 演劇遍歴
僕の好きな別役もの。今回は同じ脚本を3つの演出と役者で演じ3本の別の内容とする作品群。ぼくはその内のKESHI組を鑑賞した。

彼の作品は不条理劇だと言われているが、難しくはない。むしろ喜劇だと思って見ていると、そこには果てしないリアリズムが見えて来る仕掛けとなっている。

三人劇と言ってもほとんど二人劇である。女と男。男は袋にいかで作った消しゴムを入れているという。女は子供を殺してそこに入れているという。男はブルガリア暗殺団に追われているという。女は妻に逃げられているのだという。

食い違いがいつか収束する。最後は男が死んでいると刑事が言う。しかし、袋の中は子供の死体ではなく、けしごむだったと、、。

セリフを楽しむ劇である。役者の演技を楽しむ劇である。演出の面白さを楽しむ劇である。

二人の俳優は抑揚も効いており、しかも発声が実に滑らか。舞台に流れと山が確かにある。女があまりに美しい声なので、ふとするとコックリ行きそうにもなる。でもこれは僕の体調のせい。秀作だ。

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