噂に違わぬオパンポンの実力をまざまざと見せつけてくれた怪作です。あの小さな芸術創造館を3場面に設えて、人間の狂気と弱さを描き尽くした感があります。とても秀逸で演劇の在り方まで問う方法まで強く感じ取りました。
あらゆる運命と呪縛を一身に受け止めていたかのような長男の生きざま、次男は普通の人なんだが、だんだんと呪われた運命を受け入れていくその緊張感と緩さ、たまりませんでした。三男だけが僕には少々理解不能で、もう少し肉付けしていただいたら立派な現代のカラマーゾフになった気もします。
とはいえ、あれだけの地獄模様から一転してカラッとしたハッピーエンド、こういうところが野村有志の才あるところ。さすがです。
久々に胸がドキドキする演劇を見せていただきました。これが10年ぶりの新作だったとは。こういう演劇を発表できるスタッフは幸せでしょうな、、。いい春の日の午後でした。
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