センスのいい華やかな劇団である。女性が多く(一人だけ男性が紛れ込んでいます)、みんな個性的でしかも美人である。そして劇は野心的で何かにいつも挑戦しているかのようです。それはちょっとしたダンスだったり、今日は出番でないときでも役者を舞台の袖に置いたり、あらゆるところに現れている。
今回は横光の名作(らしい)「機械」をモチーフに人間の生きる術を追求したものです。人間が生きてゆくうえで、社会の歯車にはまることを考える。というか、社会に出るということは社会の一員になるということだからおのずから歯車となり果てる。
でもその歯車も摩滅するだろうし、速度も衰えるだろうし、社会から脱線しかけることもある。歯車を支えるのが女性集団だとしたら、なおのこと精神的な妬み、そしみもあるのだろう。
劇は解決篇を提出はしない。しかし、靴磨きを介して神のような男を配し、運命にゆだねることもあるではないだろうか、というようなことを言わせる。この演劇では最後の方のこのシーンが欲に印象に残ります。ちょっと、小ずるい感もなきにしはあらずだけれど、、。
力作です。野心作です。何より新しいものに挑戦してるみんなの真っすぐな感じがいいですね。次作がますます楽しみになりました。
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