僕も長い演劇遍歴を標榜しているが、しかしお寺の境内の中のホールで演劇を見たことはあるけれども、本堂の中で、仏像を背景にしてまさにそこで演劇を見たのは初めての経験である。ただただ驚いた。
後で聞くところによると、主演の俳優はこの寺の副住職であるとのこと。であるから演劇が可能だったんだなあと、納得。仏像を前に走るは、ギャグはあるは、俳優陣も総勢20名近く、大立ち回り。見ている間、これを住職、よく許したもんだと思っていたのであった。
劇が終わり出るとき、後ろの方に住職がいたが、あれがお父さんだったんだろう。顔つきが微妙で印象に残る。
劇の展開は思ったより手が込んでいてストーリー的にもかなり面白い演劇に仕上がっている。でも一番言いたかったのは、寺を昔々の、庶民の社交場だった空間に戻せたら、という想いだったのではないかと思う。葬式等だけの場だけが寺ではないのだよ、と言いたいのだろう。
かなり稀有な面白い経験をさせてもらいいい一日であった。演劇にはまだまだ可能性がいっぱいだったことに気づかされた。
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