西宮の大きな舞台。横も結構大きいが、縦(奥行)も椅子3席分を削り取って広がり、巨大な空間が出現する。しかも波間を布で表現し、舞台移動も人(黒子)が頻繁に行うという、これは今までの演劇にない革新的なものを岩松が目指しているのが分かる。
冒頭は波間に揺らめく船上生活者である。大地を離れ海を見て生活する。そして大きなガレキがこちらの方に流れてくる。まるで波間を漂流する家族たちとは、、。3.11を意識せざるを得なくなる観客。
登場人物が総勢33名。しかも特に主役を持たないこの舞台はその全員に平等にスポットライトを当てている。ある程度5,6組のグループに分かれる構成だが、どうも分かりづらい。感情移入出来ない僕はこの2時間半の舞台をまるで漂流しているようでもある。
途中で人形浄瑠璃が出てきたり、それは舞台演劇としても斬新な美しさがきらめいている。スゴイと思う。でも、解らない。岩松の言わんとするところが分からない。恐らく僕の感性が貧しすぎるからだろうとは思うが、最後までちょっと距離を置いてしまう。
解らないまででも楽しいという演劇もあるが、この舞台はそうであってはいけない種類のものであろうと思う。解らない僕に少々いらつく。
俳優陣ではサリngROCKさんのカッコよさとパンツ一枚頑張った原 竹志さんが目立ったように思う。でも33人を平等に書き分けていたら観客が集中できないのも仕方がないように思うがどうだろうか、、。
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