90分、平板といえば平板。確たるドラマ性もない。不思議なことに主人公の内面にはそれほど入らない。マルタというのは4人の母親だ。主人公から見た彼ら家族の営みとは、、。
これだったら、NHKのドキュメント72時間の方が面白い。NHKスペシャルの方が断然いい。この作品はでも映画なんだよね。ドキュメンタリータッチでもない。一応劇映画に設えてる。
父親がそれぞれ違う子供たち一家と天涯孤独な女とのふとしたことから始まった触れ合いの日々。マルタは死を意識して、最後に子供たちと彼女にことづけを伝える。そしてひとり死んでゆく。それを何の技巧もなく、普通にカメラは回る。結局主人公の内面は最後まで映画的には明かされない。(何もないということか。ただの傍観者か。)
それだけの映画なんだよなあ。そういう人生もある。HIVって、そりゃあ大変だろう。別に社会の何かを訴えているわけでもない。淡々とした普通の生活を映画は映す。
そして僕は淡々と映画館を離れる。意外とこの映画からは何も感じなかった。もう僕も年なのかなあ(そうだけど)。マルタを主役に配するとまた違ってくるんだが(通常過ぎるが)、そうはしないところが憎いところではある。
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