うーん、この映画、日本版題名でごまかしてるけど、移民がテーマですね。今フランスでは移民者が多くなって失業者が増大していることが社会問題になっている。そこのところをハルストレムを持ってきて、優しくオブラートしてる。コメディにまでして。
ミシェラン1のフランス料理店の真ん前に何やら怪しそうな(?)インド料理店を設けたいと、、。店舗の管理を委託されていたミシェランの女主人は意外とそれほど反対せず持ち主に交渉させる。(どうせダメだとタカをくくっていたのか)こういうところはメルヘンなんですなあ。(ハルストレム調です)
それからはまさに文化と文化のぶつかり合い。映画でも語られていたけど戦闘開始なんです。どう考えてもあんな小さな町でレストランが二つあれば客の奪い合いになりかねない。でも映画はそれを遠巻きにぼかす。
それは二男のシェフをフランス料理店に抜擢するという折衷案があるからなんですな。ここに移民問題の和平に対する一つのテーゼがあります。それは結構意味深いです。
そしてもう一つ。完全白人フランス美女とインド人との恋愛。これも多少移民同士の避けられない問題として僕は気になりました。映画は問題なくハッピーエンドでしたけどね。現実はそう甘くはないでしょう。
でもこのあぶなかしい問題はハルストレムの手にかかると大人も楽しめる寓話にしてしまえるんですな。ここがこの映画の一番すごいところです。まさに題名通り魔法のスパイスです。
ハレストレム、ちょっと迂回していたところもあったけれど、全盛期に戻れる足がかりが感じられる作品となりました。秀作です。
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