なかなか秀逸で興味深い題名だ。だいたい演劇においては、あまり題名を気にしないんだが、今回はなぜか面白がったものである。
そして幕は開き、一人の青年がまさにデスクらしきものに座っている。ここはどこよりも心地がいいと。人類が難を逃れ辿り着いた聖地のごとく、、。
そこに現代若者を象徴するような無気力で少々ニヒルな青年が机上を頻繁に訪れる。人生懐疑論的な若者はだんだんと中庸な市民へと変貌してゆき、そして愛する人と結婚し子供も生まれると、何と希望にあふれる市井の人間に成り果てる、、。
まあ、そんなあらすじではあるが、結構面白い。特に冒頭は形而上学的な話のやり取りで、これは、と思わせた。しかし、女が出てきてから話が凡庸になった感はぬぐえない。
机上の男と彼を時々訪ねてくるこの青年とは同一人物なのか。
机上の男はこの青年の運命を呼び戻す神のような存在であるのか。
最後はテロがあってこの青年と妻と子供は死にました、で終わるものだから、なにか軽いコントのようなイメージがする。これがどうも冒頭とバランスが悪いのである。
でもそれも作者の狙いかも知れない。小濱健太郎氏のブログを見ると、コントも得意とするそうだ。
中編であるし、こんなものかも知れない。でももうちょっと掘り下げてくれればかなり面白い代物になったような気もしないではない。
悪くはない。若いし、目指すところはかなりのものだと思う。次回が楽しみな劇団である。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます