大学生の演劇が続く。時期的に今が旬の時である。この劇団は前作も力作で十分期待できる。楽しみである。
舞台にはなぜか演劇終了後の小道具が段ボールいっぱいある部屋に積まれている。一人の青年が机の前で眠りこけている。そこにしばらく会っていなかった劇団員の女の子が現れる、、。
面白い脚本である。むさい男の子の部屋を喫茶店と間違えてカップルがやってくる出だし。勘違いからくる更なる勘違いによる展開。
この基本は我が愛する劇団「空晴」のいつものモチーフである。関奈月、中野守さんとは全く関係ないとは思うけど。完全大阪弁の劇は迫力ある。これも「空晴」と同じ。でも共通点はここまで。
底流に息づく根は恐らく芝居に関するものなので(千秋楽後の打ち上げの喜び等)、恐らくある悩みなんかもみんなあるんだろうけど、そんなことは舞台では見せず、次から次へと変な人たちが登場する。
そこがまたおかしい。みんな一人の世界に浸りっきりの、あの喜劇的に浮いている感じがとてもいい、面白い。楽しい。演劇を観客と一緒に味わっているあの一体感。素敵だ。
あの変な大阪弁を喚き散らしている荒木青年も楽しいし(無理しなくて標準語でもいいのかなあとも思ったけれど、、)、超悠然と生きているかのような麻子が実は「恋はぐだぐだ」状態だ、なんておかしいし、哀しいし、美しい。
遙さんの太い生き方もまた楽しい。そしてあのミラさまの一瞬舞台の色合いが全く変わってしまうようなハッとする華やかさ、疑似妖艶さ。素敵です。
杉浦君も結構頑張っていたし、そして真打松岡の自由で大きい演技。君がいたせいでこの舞台が大きく羽ばたいた。いい役者だ。
ということでこの演劇でまた学生演劇を見直すことになった。いやあ、若いっていいなあ。頑張って演劇を見るぞう。
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