3編の中編もの。それぞれが50分程度で、それぞれに前説が付く。この前説は凝っていて一人芝居風でもある。とても贅沢。全部で3時間程度にもなる長尺だが、一つ一つの芝居が観客のサービスを第一に考えていて、見ていてとても豊饒な気持ちになる。
充実した演劇の時間である。すなわち演劇者と観客との気持ちが見事にはまった、年に何回もない珠玉の芝居であります。至福の時間であります。タマラナイ、、。
まずは「無言探偵」。ミステリー風のどんどん、嘘か真か、話が急展開してゆく才気煥発ものである。福谷圭祐の奇才ぶりを遺憾なく発揮している。彼の脚本で、普段見られない役者連中の演技が繰り広げられることの幸せ感を感じる。そして思う。一平さん、無言とはいえ、よく笑わずにいられたねえ。このこともすごいと思う。
次は「六番目のリョウ」。超ハートフルな演劇。何故か、キャラメルボックスの成井さんを思い浮かべてしまう。そんな胸がツンとなる切ない系演劇だ。東千紗都さんを見に来ただけの甲斐はあった。最近彼女の役柄が何か軽めの感じがしていたので、この演劇を見て納得。よかった。後々夫になる俳優さんも印象に残った。
最後は「シャンタンスープ」。若者が目指す芸人の世界を描いたものだが、みんなちょっとした漫才がうまい。役者と芸人は素質的には一緒なのか、とまで思ってしまう。というか、演劇で優秀な人は漫才をやらせても一流だということか。皆さん凄いです。もちろん一平さんもすごかった。
ということで大切な、素敵な、好きな演劇の時間があっという間に終わってしまう。3時間は全然長くない。もっとこの時間を共有したかった、、。
一平さん、ありがとう、ね。
いつも拝見させていただいています。
「一平さん」→「逸平さん」ですよね(笑)