相変わらず独自の作風を保持している北欧の映像作家ロイ・アンダーソンの新作だ。登場人物は多いけれども、みんな人生を投げているわけではない。寂しさと恵まれていない不満感を一様に抱いている。
けれども諦め切っているわけではないそんな普通の人々のそれぞれの切り取られた時間を醒め切ったくすんだ色調で描いていく。
夢と現実が交錯した、ある意味哀しい小さな人生をたどり着いているようなエピソードが目の前に展開していく。しかしそれは絶望的なものではなく、ほのかな希望さえ感じる市井の人間の望郷的なまなざしがそこにはある。
それでも現実は過酷で厳しいトラストの連なる爆撃機で象徴させるが、全体に小コントのようなエスプリが効き過ぎているので、それを受け入れる余裕さえ感じられる。「さあ、ラストオーダーだよ、また明日があるから」のリフレインに通じる人生観は北欧の薄い日ざしを否が応でも感じさせるものとなる。僕にはどんな劇映画より親密で暖かい映画を見た読後感が漂う。秀作です。
けれども諦め切っているわけではないそんな普通の人々のそれぞれの切り取られた時間を醒め切ったくすんだ色調で描いていく。
夢と現実が交錯した、ある意味哀しい小さな人生をたどり着いているようなエピソードが目の前に展開していく。しかしそれは絶望的なものではなく、ほのかな希望さえ感じる市井の人間の望郷的なまなざしがそこにはある。
それでも現実は過酷で厳しいトラストの連なる爆撃機で象徴させるが、全体に小コントのようなエスプリが効き過ぎているので、それを受け入れる余裕さえ感じられる。「さあ、ラストオーダーだよ、また明日があるから」のリフレインに通じる人生観は北欧の薄い日ざしを否が応でも感じさせるものとなる。僕にはどんな劇映画より親密で暖かい映画を見た読後感が漂う。秀作です。
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