リンカーンの人間性に重点を置いた映画だとも言えそうです。で、それって、どんな人間性なの、と自分に問いかける。
偉大なるアメリカ大統領で、もっとも人気のある大統領ってリンカーンかケネディ辺りだろうなあと思う。そんな有名すぎる大統領を描くにあたりスピルバーグは何を画したか、、。
ただの、誰もが知る伝記になることは避けたかったのに違いない。そしてこの映画が現代アメリカに、ある程度「光」を与える内容でありたい、そう彼は思ったのではないか。
そしてスピルバーグはリンカーンに「結果よければ」という策士であり、権謀術数的な政治家の姿を我々の前に提出した。家庭に戻ればくどくどすごまれる小言の多い妻に我慢強く接するどこにでもいそうな夫である。
また自分の政策が引き金となって戦争が勃発し兵士が大勢亡くなり疲弊しているのに、自分の息子だけは戦地に行かせないように考えているジコチューで愚かな父親でもある。人々が願っていた戦争の終結より、憲法改正を画した政治家である。
日本人たる僕はリンカーンのそのあけすけさにかなり驚くが、アメリカ人は恐らくある程度歴史的事実は周知していようから、では、この映画の現代アメリカへの「光」をどう捉えればいいのであろうか。
まさかオバマ大統領に「政治の駆け引きはすべて結果オーライよ」なんてメッセージを出したいわけでもないだろうから、これはかなり難問である。
例えばこんな話があった。奴隷解放をしちゃうと社会が混乱すると。恐らく黒人の暴力に恐怖することを言いたいのであろうが、リンカーンは何も映画では言わない。ここが少々不思議だったのだが、この部分にキーがあるのかな。例えば銃規制の問題とか。奴隷解放と同次元の問題として今考える必要があるのではないか、と。
まあ、長い時間で途中で僕はいつもより早く脱線しちゃいましたから、いろんなことを考えちゃいました。ダニエル・デイ・ルイスの演技も確かに巧いけれど、そろそろかなり鼻につくようになりましたね。
今出るところ駄作なしのジョセフ・ゴードン・レヴィットにしても、全く意味のない役柄を演じさせられていました。この役だったら彼でなかった方がいいように思う。スピルバーグの映画だからって、こういうマヌケ役もあるのだよ。
うーむ、長かった。スピルバーグ、力がなくなって来ているかなあ、、。
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