最初は精神病院と思ったけど、拒食症専門の心療内科でのはなしだと分かってくる。暗くなりがちなテーマなんだけど、敢えて演出は結構明かるくそしてコミカルに描かれる。
ブログを閉鎖した後処理を請け負う業者まで登場してきて、現代というものをクローズアップしている。ある女優のブログを分析する業者。暗号めいた展開になり、劇はむしろミステリー的に進行する。
拒食症って、かなりやばい病気らしい。周囲が気づくときにはもはや手遅れといったこともあるらしいと聞く。現代病だろう、やせたいと願う女性がいる限りなくならないのかもしれない。患者と医者がいかに信頼できるかがカギなのだろう。
2時間、重いテーマが進む。俳優人のセリフさばきは際立って、てきぱきしてこの劇団の秀逸さを伺わせる。とりわけ僕は女性医院長の咲田とばこと業者のはしぐちしんの演技に惹かれる。
特にはしぐちは車いすをほとんど感じさせない俊敏な身のこなしで、重い話の中で娯楽性部分を受け持っている。うまい。
演劇の中枢を行っている劇団だと思う。劇では難しい医療ものだが、現代に一つのメスを入れている。鋭い劇であった。
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