予告編で楽しみにしていた映画なんだけど、そうでもなかったかなあ。この手の映画はやはり昔懐かしロマンポルノがうってつけだけど、この作品にはそのパワーもなさそうだし、、。
形式はかの定番、グランドホテル形式で、ホテルという設定が中身の濃い人間をあぶりだす仕掛けとなっている。
ところが、数種類のカップルの群像劇なんですが、なんやら古いんですよ。彼らの絶対持っている雄叫びが全く聞かれない、聞こえない、なんかみんな尻すぼみなんですよ。見ていてこんなのおかしいや、とだんだん萎えてくる自分を感じる始末です。
染谷の話だって、前田敦子があの、プロダクションの男と行為をしたのかどうかも分からない服装で(ラブホの密室であの恰好はないだろうに)部屋をうろつきまわるし、何故かしら理解に苦しみました。
コリアのお二人も何か古い日本人世代のようで彼らの本来持っているほとばしりも感じません。(女優はよかったけど。)
南果歩の逃亡人生も、男だけが指名手配だと思っていたら、ちゃんと女も手配者写真があるじゃん、と何かぎくしゃくな展開(僕がただそう思っていただけかもしれないけれど)。まあ、面白かったけど。
最初の方のコリアヘイトスピーチなんかは結構カメラが回ってて動的だった。いい写真だね。でもそれだけ、続かない。
一番けしからんのは主役の染谷が我慢もできず、ラブホの悪口をたたき、郷里の石巻行きのバスに乗ってしまうところ。すべて郷里に帰って解決がつくわけでもないだろうがに、と苦々しく思っていたら、あの妹までが後方席に乗っているなんて、ちょっとこれはだめでしょう。登場人物、全然エネルギーが感じられねえ。
ということで本日ちょっくら怒り気味です。広木の映画は結構、目を見張るものもあるのにねえ。次回に期待します。
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