石丸幹二さんが、某劇団を退団してから初の舞台『イノック・アーデン』を観てきました。
何も調べず足を運んだのですが、イノック・アーデンって人の名前だったのですね。イノック・アーデンとフィリップとアニーの2人の男性と、1人の女性のお話。
と・・・言っても、これは朗読劇です。石丸さんとピアノの音だけで話が進みます。3人は幼馴染、アニーを真ん中にして成長し、イノックとアニーが結婚し幸せになります。子どもも出来て幸せに暮らすのですが、不慮の事故でイノックは海での仕事が出来なくなります。そして再起をかけて、再び海へ妻子を残し出かけていくのです。
それから10年、イノックは戻ってきませんでした。アニーは3番目の子を病気でなくし、イノックが残していった商売もうまくいかず・・・・・・悲しみの中、助けてくれたのはフィリップでした。援助をして子ども二人を学校に行かせ、支えてくれたのです。そしてプロポーズ。それでもイノックを忘れられないアニーは『1年待って』と伝えます。
結局、アニーはフィリップと再婚します。二人の間には子どもも出来ます。
ところが、イノックは亡くなっていなかったのです。船が難破し、たった一人孤独に生きて、ある日助けられてアニーの住む町に戻ってきます。
でも・・・・・・・全てを知ったイノックはどうするか・・・・長い年月が、イノックの風貌を変えてしまい、昔の面影をうばいとっています。こっそりと、現在のアニーの暮らしを見に行き、幸せにくらしている姿をしっかりと目にします・・・・・。イノックはそのまま何も言わず、暮らす事を選びます。そして孤独の中、死を迎えるのです。最後にただ、一人宿屋の女主人に告白をして・・・・です。
これを石丸さんが一人で朗読します。劇団にいた頃と変わらない端整なお顔と、安定感のある声で1時間半、堪能しました。さすが、石丸さんです。これからの活躍が、ものすごく楽しみです。
余談ですが、石丸さんが客席を見渡して目が合うと、とってもドキドキします。王子は健在です。『美女と野獣』の王子役素敵でしたものね~~~。
上質な舞台をみた1日でした。