ぷ~さんのブログ

観劇、読書、趣味の手作りなど、日常で感じたことを書き込んでいきます。

観劇その37(日の浦姫物語)

2012-11-25 22:03:15 | 観劇

日の浦姫物語を観てきました。
近親相姦とあるから、ドロドロ? 大竹しのぶさんと藤原竜也さんだし………とちょっと迷ったのだけど…。

井上ひさしさんが、杉村春子さんにアテ書きしたというので、杉村春子さんはドロドロしないな(なんの根拠もないけど・・・笑)と思い足を運びました。
確かに内容はドロドロ系なんだけど、いや~~~笑いました。この題材、内容でこんなに笑っていいの?と思うくらい笑いましたよ。

物語の舞台は平安時代、奥州。
やっと子宝に恵まれた、米田庄を束ねる主。
生まれた子どもは男女の双子。でも、母(妻)は亡くなってしまいます。
美しい兄と妹(藤原さんと大竹さん)は、あまりにも無邪気で兄弟愛も、男女の愛も同じく考え15歳に一線を越えてしまいます。それが不幸のはじまりとなるわけですね。

兄の子を身ごもり、出産するのですが、愛しい兄も亡くなってしまいます。それでも誕生した男児を大切に育てようとするのですが、日の浦姫は主なき家を守らなければなりません。
叔父の出した決断は、赤ちゃんを小船に乗せて海に流し、神と仏に運命をゆだねるということ・・・・・。

そして18年後、主として一人身を守る日の浦姫の前に若武者が現われます。
この若者が、日の浦姫の窮地を救ってくれるのです。当然のことながら、周りはぜひ夫にと切望するのですが・・・・・ご想像の通り、この若者は舟で流したわが子なのです。

日の浦姫は、泣く泣くわが子を手放す時に、手紙を持たせます。その手紙をこの若者は持っているわけですね。そして自分の母親を捜してる・・・・・まさか、日の浦姫が母とは思わず、恋に落ちる・・・・・

二人はそれぞれに真実を知り苦悩し、日の浦姫はわが子が分からなかった目など・・・・と自分の目を突いてしまいます。同様に息子もですね・・・・そして二人は、家を出てそれぞれの道を歩んでいきます。

でも、ここで終わりではないのですよ。
ラストは、奇蹟のようにもう一度再会して、親子として喜びあうのです。

どろどろの内容に思うけど、2人がとても純真、誠実なんですね。
それに加えて、井上さん特有の言葉あそびが、ふんだんに盛り込まれていて、とにかく面白いです。

たとえば、日の浦姫が身ごもった時に、父であり母であるけれど、兄の子だから、私は叔母にもなり・・・・・など、一層ごちゃごちゃ感が伝わるやりとりがあるのです。

そして、叔父役のたかお鷹さんがまた面白い、
お家が大変な事になっているのに、どこかユーモラスで笑えます。

説教聖として木場勝巳さんと、三味線弾きで立石涼子さんがいます。舞台を引っ張るストーリーテラーという感じです。赤ちゃんを連れているのですが・・・・

最後の最後で、この二人が夫婦でなく、兄妹であり、日の浦姫のように一線を越えてしまったことがわかります。説教聖として、日の浦姫の話を語りながら、自分達のことも理解して欲しいというのですが・・・・

理解されることなく、石を投げられ罵られ・・・・・・物語はハッピーエンドだったけど、現実はそんなに甘くないのだよと言われている気がしました。

コメント
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