ぷ~さんのブログ

観劇、読書、趣味の手作りなど、日常で感じたことを書き込んでいきます。

読書3(某)

2021-01-31 15:13:10 | 読書
川上弘美さんの『某』です。

不思議な物語でした。読みはじめは荒唐無稽な話だなと思ったんです。

記憶を失った人が病院にいると言うところから物語が始まります。
記憶がないまま、高校生の女の子として生活を始め、病院と学校を行き来します。そのまま生活するのかなと思ったら、生活に変化がなくなったところで、「違うものに変わりましょう」ってドクターが言うんです。今度は高校生の男の子。同じ学校に通うのですが、女の子の事は他の皆の記憶には残ってないのです。これだけでも不思議?で、どうなるの?と思うわけです。
次の変化は同じ学校の事務員。もうわけがわからなくなります。

あ~~これはロボットを作っている人の物語か❗️なんて考えたのですが、違いましたね。

やがて、この子は病院を飛び出して一人で生活を始めます。外人にも変化できるわけで、外人になれば言葉も堪能です。

いろいろ変化するなかで、記憶は残っていくのですが、性格はまったく違います。同じように変化する人達にも出会います。

いったい、この本の着地点はどこ?と思いつつ、読み進めます。

結局、何者でもない人達はどうなるのか…わからないのですけど、誰かのためにとか誰かのために犠牲になったときに、変化が止まって死を迎えました。

何者でもない人達は死ぬと言うことがないのです。変化し続けて200年生きている人もいるのですから。

本当に不思議な話でした。作者の言いたいことはわからないけれど、生きるとは何か?人とは何か?問われている気がしました。

好きな題材ではなかったのですが、どうなるのか?とどんどん読み進められたのはこの作者の力なのでしょうね~

全然内容は違うけど、村上春樹さんの1Q84を思い出しました。
コメント
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