漫画『シグルイ』第一巻のあとがきを読んで、違和感を覚えた記憶がある。それは大要「自分は人の闘争にこそ本質を見出すので、暗闘のようなものには興味を持てない」という趣旨であったが、「戦争は外交の究極的形態である」というのと同じで、政争などを含めた暗闘もまた闘争であり、むしろ直接性を抑圧されているからこそ、恨み・妬み・報恩など蜷局を . . . 本文を読む
この前ポワティエの戦いに関するレゴの動画を取り上げたので、今回はWWⅠのヴェルダン攻防戦とソンムの戦いを紹介したい。ともに一次大戦の中ではかなり有名な戦いだが、こうして戦いを描かれると、視覚的に理解しやすい部分も多い。
例えばヴェルダン攻防戦であれば、防御側のフランスに関して自動車の輸送(補給)が極めて大きな . . . 本文を読む
前の記事では、高校時代までの経験をもとに「学校で習うレベルのものは『教養』というカテゴリーで認識していない」と書いた。それが大学に入ってどのように展開したか、というのが以下の内容だが、結論から言ってしまえば、膨大な量の研究書と、それが拠って立つ先行研究や諸史料を目の当たりにすると、それらの精髄がたかだか10分やそこらの内容にまとめるなど無理筋な話だと体感としてわかるし、ゆえに鵜呑みにすることもあり . . . 本文を読む
私が「ファスト教養」というものを個人的には全く受け入れられない、という話はすでに何度も述べた通りである。また、私の「教養」観念については、それを体現する人物としてアリストテレス、ヴィトゲンシュタイン、小室直樹を例として挙げた。
今回の記事では、その点を少し掘り下げ、自分の「教養」観念の形成について書いてみたいと思う。というのも、それが結果としては「ファスト教養」に対する批判的視座 . . . 本文を読む
鎌倉幕府の性質(本質)を基礎からわかりやすくした動画をご紹介。それが武士一般を支配・支持層とするものではなく、またその支配領域は東国限定で、また主な仕事であった土地の安堵が、重層的支配構造ゆえにしばしば困難であった。これは、「幕府」という名称を用いるときに、つい荘園が整理され所有者が明確化・一元化された江戸幕府のあり方を自明のものとして照射するような認識からすれば、かなりギャップがあるものだろう。 . . . 本文を読む
巧言令色&クレイG全開の人物画が運慶・快慶のように見る者たちを威圧するって、これもうサムネで勝ち確やんけ🤣!
とまあ実に素晴らしいセンスのしくじり皇帝動画なワケだが、「晩節を汚す」という言葉があるように、英明として評価された人が後に愚昧な行いで評判を起こす事例は少なくない。これは地位の高低や貧富の差は関係ないが、その人間が皇帝という強い権力を持 . . . 本文を読む
次の毒書会で「教養とは何か?」を考えるに先立ち、2回に渡って「いわゆる『ファスト』とそれが波及する必然性について」の覚書を掲載した。
ここからは、「手段としての教養」が広く求められるようになった歴史的背景について触れつつ、「ファスト教養」への需要が拡大している背景を考えていきたいと思う。
1.「ファスト教養」とは、主に仕事で成功す . . . 本文を読む
昨日は「ファスト教養」とそれが広がる背景について説明しつつ、自身は「ファスト教養」を受け入れるつもりはないこと、そもそも対置される「教養」自体があやふやなこと、よって「教養」を重要なものとして勧めることの困難さについて書いた。
今回は、「ファスト教養」が求められる背景などについて書いていく。なお、覚書のため内容が前回と重複する部分も少なくない点ご了承いただきたい(元の覚書と項目の . . . 本文を読む
先日、次の毒書会でファスト教養のことを取り上げる旨を書いたが、本を読む前にあれこれ考えていく中で、すでにして結構な分量の覚書ができあがったので、現段階のものをアウトプットしておきたいと思う(なお、詳細を述べていくと膨大になるので、あくまでエッセンスだけを抽出し、以後の記事で別途補足説明していく形態をとる)。
考えれば考えるほど、このテーマは「教養とは何か?」という問いを超えて、「 . . . 本文を読む