君が望む永遠:DVD版についての評価

2006-06-18 20:48:18 | 君が望む永遠
さて久しぶりに君望の話題でも書くとしようか。
今回は、CD-ROM版からDVD版になった際の主な変更点及びそれについての評価を述べたいと思う。先に総評をしておけば、(CD-ROM版と比較して)いいところも悪いところもそれぞれあるので、「総じて微妙」というところである。以下、わかりやすくするため最初に変更点を箇条書きにし、後でそれぞれのコメントを「良くなったところ」「微妙なところ」のカテゴリーに分けて述べていきたいと思う。


(変更点)
①第一章にテーマソングが追加
②バグ修正(しかし新たなバグが…)
③第一章の内容がところどころ修正
④水月に2つ、穂村に1つ、計3つのエンディングが追加
⑤新たなイベントCGの追加
⑥背景の新調

※この中で④は「悪くなったところ」だと思っているが、その話題は全体の構造から話をしなければならないため、次の機会に譲る。


(良くなったところ)①③


水月をテーマソングにした“Blue Tears”が追加され、opデモとして流れる。デモの方は微妙な出来だが、歌は雰囲気をつかむためにもいいと思う。なお、“Rumbling Hearts”と同様にBlue Tearsもピアノバージョンがあり、こちらもかなりいい。しかしこの曲について最も重要なのは、その使いどころだろう。Rumbling Heartsが第二章の終盤で使われ非常に印象に残るものとなっているが、一方Blue Tearsは第一章の終盤で使われている。要するに、Rumbling Heartsとの対比という位置づけにある。こんなことを書くのは、Blue Tearsが「単なる第一章への追加曲」ではない、という事実を強調したいからである。つまり、この曲を第一章の学生時代を象徴するものとして位置づけることで、「もう戻れない」と歌うRumbling Heartsで始まる第二章と強いコントラストを作り出しているのだ。そう考えて見れば、第二章の終盤で第一章を象徴するBlue Tearsが流れるのには「第一章のあの頃に戻ることができた」という意味合いが含まれているのがわかるし、またCG閲覧や音楽を聞ける「プレミア」で第一章の写真とともにBlue Tearsが流れている理由が正確に理解されることだろう。


第一章の内容に、ところどころ修正点が見られる。例えばCD-ROM版では、孝之が遥に学校の怪談を教えようとするのを止める際に水月が「心臓が悪かったらどうするのよ!」と怒るシーンがあるのだが、これは丸々カットされている。そりゃそうだろう。あまりにも脈絡がない上に後の内容にも繋がってこない発言だからめちゃくちゃ浮いており、一体どんな意図でこの発言をさせてるのかと頭をひねったくらいだ。他では、水月が何に悩んでいるのかを突き止めるため孝之が休日のプールで水月と対峙するシーンは第一章の見せ場であるのだが、そこに新CGを挿入して時間の経過をうまく表し、前よりもぐっと盛り上がるように演出している(画像参照)。このように第一章では変更がいくつかあり、その多くが重要なものとなっている。


(微妙なところ)②⑤⑥


バグが色々直されてはいる(らしい)が、穂村の新シナリオで強制終了になるバグがあり、しかも修正ファイルは配布されていない様子。でかいバグだけにあまり改善された気がしない。


新シナリオ以外にもいくつかCGが追加されている。しかし、必要なのは一章で水月と孝之が対峙する場面と二章で茜がベンチに座り込んでいるCGくらいで、あとは全部蛇足。容量の無駄である。


教室、自宅などの背景CGが作り直されている。自宅の背景などは前のに比べてずいぶんとスッキリして不自然さがなくなっており、背景自体はよくなったと思う。しかし、キャラの立ち絵と背景の塗りが全く違うためけっこう違和感がある。部屋の配置換えなどはするにしても、塗り方を立ち絵のそれとマッチするものにすべきだったと言えるだろう。


とりあえず以上。次回は新シナリオについて述べる。


※画像の著作権はageに属します。

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