ビースターズ:アニメ版と原作の微妙な違いもおもしろい

2019-11-15 12:21:24 | レビュー系

「学校」と言えばやっぱりビースターズだよね!(意味未明)ということで、またもやアニメ版の話。5話をもう一度見返したが、静かな回である分キャラへの愛がいや増しますなあ(●´ω`●)

 

ルイセンパイが「普通の18歳」になる時の表情なんか、もうかぁいいすぎて悶絶なしには見られないし、レゴシの「喜んで尻尾を汚すよ」発言なんか「お前も成長したなあ」と父親かなんかにでもなった気分で見守らずにはいられないわけであります(ジャックとレゴシのやり取りが最高なのは言うまでもない)。

 

原作との微細な違いに注目するのもおもしろい。たとえばルイが前述のように葛藤するシーンは、表情が険しくて本当に「葛藤している」感が伝わるが、アニメの方は「やっべえどうしよう」という狼狽の方が強く出ているように見える(だからリーダーとしてのルイという視点より、可愛さが先に立つw)。ただ、そうかと言って可愛さで押し切っているわけでも無論なく、そこからのハキハキとした声優の演技を存分に見せられる(魅せられる)からこそ、ルイという人間の多層性が受け手にはより印象づけられるし、またそこでの演説的説明がまさしくポリコレの最たるものだからこそ、彼らが今後向き合わなければならない生々しい現実とのギャップ、そしてそれをどう表現するかを含め期待を嫌が上でも高めてくれる。

 

また、背中を怪我したばかりのレゴシであるから、原作は肩をぎゅうっと掴む描写になっているのだが、アニメ版ではビルとともに背中を押す描き方になっている。これは普通に解釈すれば、ルイぐらい頭が回るキャラクターなら、「取材者&野次馬たちは背中の傷のことを知らないので、妙な動きをして悟られないようにする」ぐらい思いつくだろう、という前提での変化だろう(もう一つの解釈は、傷への配慮を忘れるくらいにはルイが実は内心テンパってるというもの。さすがにレゴシへの懲罰的意味合いというのは前回のルイの描写を考えれば穿ちすぎだろう)。

 

その他、レゴシとジャックが合うのが人気の少ない階段ではなく、屋上のプールになっていたり、ハルが三人衆に待ち伏せをくらう時には周りに生徒がいない、などの変化も見られる(これは登場獣物のキャラクターや意図を考えれば必然的な変化だろう)。

 

とまあ色々見返すと発見があって楽しいビースターズですが、静かだった5話がどう6話に展開していくのか、これから愉しみである。


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