大代真白も一か月休みか~。いやホント配信業って、いつでも休めそうだからこそ、逆にいつ休んだらいいかわからなくなる所があるから、予定をキメてしっかり休んでほしいわ。炎上騒ぎ(まああれで炎上するのはどうなのかって話はさておき)の時も隠蔽するでもなく肯定するでもなく、上手くそれを受け止めつつガス抜きをしていたし、他のメンバーの重要な配信もしっかりサポートして盛り上げていた。こうして自身の特異なキャラクター性(誰も真似できねぇw)を確立しつつ、箱への貢献度も非常に高いので、誰一人としてそれを怠惰なんて思うヤツはほとんどいないだろう・・・
なんてことを考えた時、「いやそもそも、いつ休むなんて本人の自由に任されてるんだし、それをどうこう言う方がおかしいよな。美味しいけどなかなか営業しない店があったら、閉まっている日は他の店に行けばいいだけで、その店にクレームつけて開けさせる必要なんてない訳だし」と思った次第。
そこでふと思い出したのは、「好きなことだけして生きていく」という文言だ。一時期キャッチフレーズみたいに流布されたが、あっという間に見られなくなったような気がする。まあ動画配信という世界は参入障壁が低い分リアルタイムで爆発的に増殖していくものだから、それである程度の収入を得ようとすれば戦略性は不可欠になる。よって、自己分析や市場分析などに基づいた売り出し方の工夫なしには単なる趣味の領域を出ることがない訳で、「好きなことだけ」と「生きていく」は端的に両立できないって話だよね。
これだけでも配信業というのが(どれだけ「楽しんでいる」かはさておき)決して「楽な仕事」ではないのは想像に難くないが、その大変さは、自分でペースが決められるがゆえに、どこまででも働き続けてしまいかねないというリスクにもつながる(これはあと5年、10年経った頃に健康リスクとして顕在化してくるのではないかと思われる)。
これはいくつかの要素があって、「You Tubeに限らず視聴回数などが可視化されており、それが他の配信者についても閲覧できる」という性質が挙げられるだろう。つまり、企業であればよほど熱心でない限り売上高を調べたりその比較はしないだろうが、動画サイトというものはそれがいいねの数なども含め、常に見えているのであり、否が応でも自分で比較し、他人が比較するのを意識せざるをえない。
これはすなわち、値下げ競争とも似ていて、やらないと自分の店にどんどん人が来なくなるという不安、つまり自分が休んでいるうちに他の人がどんどん配信している間に休んでいる自分は忘れられていくのではないか、という不安や恐怖にかられるがゆえに、ある意味でしっかり腹をくくらないと休めないことになりがちである(これは周防パトラなど色々な配信者が言っていて枚挙に暇がないので、あれこれ細かく例を挙げるまでもないだろう。ただ、自分の中で一つ印象的だったのは、ホロライブの中でも割とマイペース感の強いロボ子さんが、「どんどん新人がデビューしていく中で自分が忘れられてしまうんじゃないか」と不安になって配信中に泣き出してしまう場面があり、表には出さなくても、こういう不安を多くの人が抱えているんだなと改めて思った次第)。
またそういうマイナスな意味でなくても、自分の登録者数が爆発的に増えていくような状況であれば、「期待に応えなきゃ」という心情から、休むことへの躊躇いが生じるケースもある。これは例えばホロライブの宝鐘マリンや儒烏風亭らでんなどが印象的だ。
宝鐘マリンはそもそも他者への期待に応えよう・応えたいという気持ちが強いライバーで、それが彼女の配信のクオリティや広い人脈などにもつながっている。しかし一方、それへのギャップに「ヘラる」ことも少なくないようで、まして今や300万近くというVtuber全体の中でも2番目の登録者を抱えており、増え続ける登録者数は、大きなプレッシャーになっていると思われる(しかも船長は、自身で言っているように競争で抜いていくことにあまり喜びを感じるタイプではないようなので、伸びたことでのモチベーションが相対的に低いことでプレッシャーの方が勝ることも多く、また色々なタイプの視聴者が増えたことで、これまで通りのスタイルでいいのだろうかといった悩みも大きくなっているのではないかと思われる)。
まあ宝鐘マリンは「人を信じて胸襟を開く」ことを意識的にやっていて、それが他者との開かれた関係性を構築することにも繋がっているので、そうして「ヘラって」も悩みを打ち明けられる人たちが周りにいることで、何とか心身のコンディションを維持しているのだろうと思われる。
また後者の儒烏風亭らでんは、芸術系に明るいライバーとして、おそらく新たなミッションを背負ったタレントであり、しかも新人の中で一番伸びていることもあって、そのプレッシャーも並大抵のものではないだろう。その中で、芸術作品や美術館の紹介に関する準備と並行して他のライバーとのコラボなどもやっている中で、不調になって大型企画を欠席しつつ一週間休むということがあった。やはり、急速に伸びている中でそれに応えようとすると、なかなか生活リズムを整えるのは難しいことだと思われ、この機会に上手く「休肝日」を設けて無理なく続けてほしいと思う。
なお、らでんは体調面で実は色々爆弾を抱えていることが早くも明らかになっているため、そういった要因や不摂生が背景にあるのではないかと思う向きもあるかもしれない。しかし、同日にデビューした(割と生活面はちゃんとしてそうな)轟はじめもドクターストップがかかって一週間休むことになったという報告があったばかりなので、個人の問題ではなく、一般的によく起こりうるものとして社内研修やら、もしくはコラボでネタにしながら情報共有するみたいな形で対応していくのが良いのではないか、と思った次第である(「個人事業主だから個人に任せるべき」という理屈はもちろん理解するが、それによってタレント生命が短くなることは、使い捨ての発想でもしていない限り企業にもライバー本人にもマイナスしかない。となれば、ガイドラインの設定やホットラインの充実といった形でのケアは、継続的な拡大という視点でwin-winと言えるだろう。これは「会社にとってコストとなる福利厚生をなぜ充実させるのか?」といった話にもリンクする)。
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