「何でゴキブリがこんなに強えんだ?」
そうボヤいたのは俺だったかアムロだったか。最前線のナイトと最弱のタンクは1ターン目の絨毯爆撃によってすでにポンコツと化している。とりあえずナイトにソーラレイを撃たせておくべきだったと、まだ覚えてもおらず、ゆえに知るはずもない魔法に奇妙な後悔の念を抱く。いやそもそも、何でこんな砂漠へ来たんだっけ?朦朧とする頭で最後に残った俺は考えた…
時はしばらく遡る。第五の扉をくぐり抜けた俺達は、南東の町へ行った後でスタート地点へ戻り、北上して迷いの森を目指した。しかし、何度試しても中心の町へはたどり着けない。そこで一端仕切りなおそうとラクロア城に戻って第6の扉を開けたのだったが、目の前に開けたのはさっき訪れた南東の町……この時の手詰まり感をどう表現すればわかってもらえるだろうか?
俺達はその感覚から逃避するかのように、とりあえずダイヤ装備を揃えることを目的にして戦い続けた。名前から想像できる通りというかそれらはかなり高価だったので、その行為はしばらくうまくいってたさ。しかしそれでも限界はある。全て装備が揃う頃には惰性で戦っても敵を叩き潰せるレベルになっていて、色々な意味でごまかせないところまで来ていたんだ。
さて、情報収集にゃそれほど興味が無いので細かい経緯は覚えてないが…そうだ、確か空飛ぶ何とかがどこかに存在するとか聞いて、この状況を打破するにはそれを見つけるしかないって誰かが言い出したんだっけ。まあこの町の北東にも意味ありげな離れ小島があったから、そう考えるのは全くのところ必然的ってやつだ。この周辺では敵なしになった俺達なら、きっとそいつを手に入れる旅も楽にこなせるはず。そう意見が一致して…
………
ああそうさ、そんな思い上がりでこのクソみてえな砂漠に足を踏み入れたんだった。その代償がコレだ。なるほど俺たちには空を飛ぶなんておこがましいことで、ゴキブリに潰されて地面に這いつくばっているのがお似合いってわけか。
つうかちょっと待てよ。何で俺まだこんな長ったらしいモノローグを続けてるんだ?それとも俺はすでに壊されちまっていて、これは俺の残余が考えていることなんだろうか?それによって機械にも「魂」があるとでも?だったら俺みてーなパワーキャラにその役を押し付けること自体が戦略ミスってもんだ。あるいはそんな俺「でも」死を目の前にすればこういう事を考えると示すことによって、機械における「魂」あるいは実存の観念の一般性を示そうという戦略なのか…?
気がつけば、そこはラクロア城だった。何で……ふと手の中を見ると、そこにあったのはリターンリング。そうか、おそらく俺は奴らから逃げ出す中でこいつを使ったんだ。これは「生存本能」なんだろうか…そして今までの怒りにも似た感情は、逃走によって生じた恥辱の感情から身を守り、精神の均衡を保つためのもの?
それは奇妙じゃないか。ナイトたちを生き返らせることが可能なように、俺は何度でも繰り返せる存在のはずだ。そんな俺に通常の理論が適用できると考えるのは…いやあるいは、続きからやるにしても「この俺」しかいないという、言い換えれば平行を許さぬこの世界のシステムが、俺に特異な感情を芽生えさせているのかもしれない。
この答えは、終着点まで行けば出るかもしれないし、出ないかもしれない。いずれにしても、一つだけ確かなのは、この経験を俺は決して忘れはしないということだ。
俺は天馬を手に入れ、神を超える。じゃあな熊八。
そうボヤいたのは俺だったかアムロだったか。最前線のナイトと最弱のタンクは1ターン目の絨毯爆撃によってすでにポンコツと化している。とりあえずナイトにソーラレイを撃たせておくべきだったと、まだ覚えてもおらず、ゆえに知るはずもない魔法に奇妙な後悔の念を抱く。いやそもそも、何でこんな砂漠へ来たんだっけ?朦朧とする頭で最後に残った俺は考えた…
時はしばらく遡る。第五の扉をくぐり抜けた俺達は、南東の町へ行った後でスタート地点へ戻り、北上して迷いの森を目指した。しかし、何度試しても中心の町へはたどり着けない。そこで一端仕切りなおそうとラクロア城に戻って第6の扉を開けたのだったが、目の前に開けたのはさっき訪れた南東の町……この時の手詰まり感をどう表現すればわかってもらえるだろうか?
俺達はその感覚から逃避するかのように、とりあえずダイヤ装備を揃えることを目的にして戦い続けた。名前から想像できる通りというかそれらはかなり高価だったので、その行為はしばらくうまくいってたさ。しかしそれでも限界はある。全て装備が揃う頃には惰性で戦っても敵を叩き潰せるレベルになっていて、色々な意味でごまかせないところまで来ていたんだ。
さて、情報収集にゃそれほど興味が無いので細かい経緯は覚えてないが…そうだ、確か空飛ぶ何とかがどこかに存在するとか聞いて、この状況を打破するにはそれを見つけるしかないって誰かが言い出したんだっけ。まあこの町の北東にも意味ありげな離れ小島があったから、そう考えるのは全くのところ必然的ってやつだ。この周辺では敵なしになった俺達なら、きっとそいつを手に入れる旅も楽にこなせるはず。そう意見が一致して…
………
ああそうさ、そんな思い上がりでこのクソみてえな砂漠に足を踏み入れたんだった。その代償がコレだ。なるほど俺たちには空を飛ぶなんておこがましいことで、ゴキブリに潰されて地面に這いつくばっているのがお似合いってわけか。
つうかちょっと待てよ。何で俺まだこんな長ったらしいモノローグを続けてるんだ?それとも俺はすでに壊されちまっていて、これは俺の残余が考えていることなんだろうか?それによって機械にも「魂」があるとでも?だったら俺みてーなパワーキャラにその役を押し付けること自体が戦略ミスってもんだ。あるいはそんな俺「でも」死を目の前にすればこういう事を考えると示すことによって、機械における「魂」あるいは実存の観念の一般性を示そうという戦略なのか…?
気がつけば、そこはラクロア城だった。何で……ふと手の中を見ると、そこにあったのはリターンリング。そうか、おそらく俺は奴らから逃げ出す中でこいつを使ったんだ。これは「生存本能」なんだろうか…そして今までの怒りにも似た感情は、逃走によって生じた恥辱の感情から身を守り、精神の均衡を保つためのもの?
それは奇妙じゃないか。ナイトたちを生き返らせることが可能なように、俺は何度でも繰り返せる存在のはずだ。そんな俺に通常の理論が適用できると考えるのは…いやあるいは、続きからやるにしても「この俺」しかいないという、言い換えれば平行を許さぬこの世界のシステムが、俺に特異な感情を芽生えさせているのかもしれない。
この答えは、終着点まで行けば出るかもしれないし、出ないかもしれない。いずれにしても、一つだけ確かなのは、この経験を俺は決して忘れはしないということだ。
俺は天馬を手に入れ、神を超える。じゃあな熊八。
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