もやしもん~キャラの魅力と人物配置~

2009-03-06 19:13:24 | 本関係
もやしもん~ビールからエロスへ~」を書いてはや一ヶ月…最近は「解釈の多様性」を始めとして記事の背景を書くことが多いので、今回もここに到る流れから説明する。


2/3、つまり前掲の記事の翌日には「もやしもん~多様な楽しみ方~」という草稿をとりあえず作り、少し手を加えてすぐにアップしようと思っていたが、「ひぐらしを連発した理由」でも書いた通り、2/4にうみねこの新作を購入したためひぐらし祭囃し編の記事を優先することになり、手付かずの状態になっていた。


それもようやく一段落したので久しぶりに草稿を見直したら、まとめるのにメチャクチャ時間がかかりそうな気配。元々は感覚的な記事の直後に理論で詰める記事を置くという目論見があったのだが、まあ時間も経ったしキャラ感想を先に書けばいいか、ということで今に至る(まあ途中経過にもあるように、一応素材はできていることだし…と)。まあそんなわけで、以下は感想がかなり入った内容になっているのでよろしく(キャラそのものへの感想+そういうキャラにする意図)。なお、画像の著作権は講談社に属します。



○ゴスロリ女
別途述べる(ここには到底書ききれない)



○及川
別名「除菌女」。菌を研究している人たちとのバランスを取るための人物配置と思われる。「ストレス~不快なものへの態度~」との関連でも興味深い。ビジュアル的には最初はどーでもよかったが、最近少しづつ気になりだした。服装を(なぜか)エロく感じるようになったことが一因と思われるが、あるいは目の描き方の変化も影響か(上→下。目がぱっちりになった)。

        


○宏岡
「難しい話して楽しいのん?」という感じの人だが、背景を知った上でそういう態度を取っているため、「懐の深いオネーサン」という表現が相応しいだろう。なお、このような態度は樹の語りなどと好対照をなすが、これまたバランスを考えた人物配置だろう。もっと言えば、彼女の態度によって説明が嫌いな人でも「聞き流していいんだ」と(ほとんどの場合は無意識的に)安心して読めるようになっているわけだが、樹の語りの扱い(他のキャラの態度、吹き出しの演出)とともに、菌の可愛さや人間群像を物語の中心として楽しむこともできるようにする演出の一つと考えられる。にしても、金髪のオネーサンなのにまるで反応しないのは、垂れ目が原因と推測されるのですがあなたどう思いますか?


○武藤
バンソーコー◎だが、フランス編の横長のやつは非常に微妙。おそらく目の下の線が誤魔化せたからだと思われる(左→右)。それが×な理由はよくわからないが、「おばちゃん」な印象を受けるからか?第40話(ベッドで寝てる長谷川に菌が取り付こうとするお話)の武藤はなぜか○。これまた理由不明。ちなみにアニメ版では肌がやや浅黒く書かれているためか、「健康美人」という印象を受けた。唇のバランスもよくなり(厚ぼったくない)、エロさが増したように思えるが、大してダメージなし。ちなみに過去の傷からか百合っぽい人として描かれています。

       


○長谷川
「ドS」「女王様」と評される通り、辛辣で排他的な発言が初期は目立っていた。最近ではそのような傾向はなくなってきたようだが、それをもって「丸くなった」とだけ評するのは少し皮相的な気もする。というのも、初期の頃に見せた能力というものへの拘り・厳しさは、その生い立ちを考えてみるともっと深みのあるものとして考えられるからだ(cf.閨閥、籠の鳥、大学に残る)。ちなみにビジュアルは最初からド真ん中wすっぴんver.も含めてオールオッケー!ショートで吊り目で姉キャラと揃っているのにどうして無反応なことがあろうか、いやない。


○金城優
沖縄の子です。酒豪です。いやそんなことはどうでもよかとです。褐色ボーイッシュにもかかわらず全くといっていいほど無反応なのが一番気になるとです。あのキャラに瓜二つなことからすれば明らかに狙っているのになあ…


○マリー
通称「白ゴス」。ってゆうか全く反応しねえのはナゼだ…?「ノーン」と言っている場面はかわいいし、泣いているシーンはエロいが…てゆうかもやしもんで誰かが泣いてるのってここだけじゃね?


○川浜・美里
特になしw非常にいい味を出している。普通なら単なるイロモノになりそうなところだが、彼らが色々考えながら行動しているためやり取りにぐっと幅が出ている。


○沢木
影薄いなあwでもまあ能力を中心に話が動いているわけじゃないので当然の結果か(それでも回るくらいに個性的な脇キャラが多い)。もやしもんにおける能力は話の展開を支える軸というよりも、単に独特な世界観を提示するという側面が強かったように思える。これからはフランス編のような形にしていくのか、はたまた…


○立花助教授
ソリッド・スネークw


とまあこんな具合で個性的なキャラが多いのだが、人物同士の絡みもおもしろい。例えば「引っ付きそうで引っ付かない」というありがちなラブコメ的展開に、同性愛的な要素(×××が○○にキスするとか)を持ち込んでアクセントを加えたりしている。このように、個性的なキャラを出すだけでなく上手く絡ませているおり、しかもそれぞれの態度によって読者の多様な嗜好に応えれるように作られていること、つまりは巧みな人物配置がもやしもんの人気の主要因ではないかと思われる。そしてその意味では、正統な立場・解釈を構成する(と読者が認識する)主人公の個性が弱いのは、どこまで計算しているかは不明としても、むしろいい方向に作用していると言えるのではないだろうか。


さて今回は各キャラの特徴と絡みについて述べたので、次回はゴスロリ女を題材にタテの視点を掘り下げていこうと思う。

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