このブログでは無論、というか言うまでもなくトネガワの活躍を激賞してきた。だが、本編つまり「カイジ」とのクロスオーバーが描かれた以上、時に絶妙なネタを繰り出しつつも、いずれ近いうちに終焉を迎えるだろうと思っていた。ゆえに、女性黒服登場という悪魔的発想を目にした際でも、左衛門三郎との趣味の一致を喜んだ女性読者を取り込もうという魂胆かと斜に構えて読んでいたほどである。
そんな折のこのカバー。一巻との共通性という名のマンネリズムから圧倒的ネタ切れを予測し、いつものように新刊で即買いするのをやめた。少なくとも満額を払う気がなく、そしてこれが中古として市場に出回るまで自分の興味が続くかを見極めたかったからだ。
そしてつい先日、近くのブック〇フ(コンプライアンス上フルネームはお伝えできない)で購入し、珍しく会社の独房給湯室で読み進めるうちに、自分の圧倒的過小評価を思い知ることとなった。
会長の傍若無人ぶりは繰り返し描写されているが、それをまさか「女子」とリンクさせて「共感性」つまりは相手の発言に寄り添う事・相手の立場に立つことを前面に押し出すという合わせ技!かつその指摘をただの客寄せパンダかと思われた女性黒服=西口に発言させるという悪魔的コラボ!!これには度肝を抜かれ給湯室でもゲラゲラ笑わずにはいられなかった。
あるいは、前の「限定ジャンケン」と同じく悪魔的イベントの話が今回も登場するが、それを有休の黒服のエンジョイと二項対立的に並べ、「コンプライアンス」を(イベントを描写しないことの)ネタ以上のものに昇華するという圧倒的職人業!!!最後に山崎の目が妙につぶらなのもポイントが高いw
しかし今回の圧倒的目玉はこれ!!
ここでのトネガワの振る舞いは部下の結婚式のそれ(毒舌だが冷厳ではなく、ノリはむしろいい)を思わせて微笑ましいが、個人的には香川真穂がとどのつまりドストライク(明らかに10歳くらい年上だがw)であり、それだけでもこの第六巻を購入した意味はあったというものだろう。
ことほどさように、終焉向かうと思われた中間管理職トネガワ、今回の理外のバックドラフトでもはや出オチのスピンオフなどと呼べない完成された作品だと考えるようになったが、ゆえにこそこれが一体どこに着地するのか、最後まで見届けたいと強く思った次第である。
(注)この記事にはアナグラム・回文などは含まれておりません。ご了承ください。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます