時節柄わちゃわちゃしていてようやく第14話が見れたので感想をば。とりあえず気になったところを14話で出てきた順にピックアップして書いていくが、近いうちに整理しようと思う(なお、第13話の感想・分析はこちらで、「ひぐらし 業」全体の世界構造に関する考察はこちら。
〇梨花の回想シーン
第13話でレナが話す内容が、一人妄想(=レナだけが症候群でおかしなことをしゃべってる)である可能性は消えた。ただ、鉄平VS圭一シーンに出てくる赤みがかった映像は、罪滅し編のレナの赤字を思わせる演出であり、ある種の「集団幻覚」もしくは我々が見ているものが幻覚である可能性を残す(まあこれは明確な根拠がないと思考の土台を掘り崩しかねないので、あくまで一つの仮説として頭の片隅に置いておくレベルだが)。
〇大石様ご乱心
前にも指摘したが、警察が持ってるニューナンブってそんな性能高くねーんだよなー。人質を取りつつ、片手で狙いをつけて動いてる人間の眉間を一発で綺麗に撃ち抜けるほど命中精度高くねーし、ついでに言えばそんな弾も入ってねーよ(とはいえ、発砲したのが6発を超えているか厳密に計算してないが)w一度も外さずに(おそらく全員)一撃必殺とか、何とまあリアリティのカケラもないことですなあw
という突っ込みはすぐにできるのだが、これが作り込みの甘さであるかどうかは議論の余地があると考える。というのも、こういった「不自然さ」は鬼騙し編のレナによる腹刺しと圭一の異常なHPなどを思い出すからだ。端的に言えば、殺人がなんか取って付けたような感じなんよねー。そもそも論として、大石は梨花が黒幕であることを白状させることが目的のような行動を取っており、これ自体が(目明し編の詩音→梨花を連想はさせるものの)新しくて意味不明だし、仮にそれが目的だと認めるとして、人が大勢いるシーンにづかづか踏み込んでいく必然性がない。当たり前だが、そこらに潜んで機会を伺い、梨花が1人、もしくは2~3人連れ程度の状況になったところで制圧すればスムーズなはずだ。症候群L5を踏まえても、このシーンがいかにリアリティを欠いているかは明白であろう。
後述するように「ひぐらし 業」の世界は改めて「うみねこ」との関連性を考えざるをえない状況になってるんだけど、そのep1~3と同じで、あたかも死ぬという結論だけ決まっていて、死に方はまちまち&エキセントリックというのと非常に似ているんだよなあ(うみねこを知っている人にはこれで十分伝わると思うので、これ以上は特に詳細を書かない)。一応これまで描写があったものについて、大石のご乱心以外を取り上げると以下のような感じ。
【鬼騙し編】 レナVS圭一
そもそも殺人(未遂)犯が拷問器具までご丁寧に用意していたのが奇妙+なぜ圭一が生き残れたのか不思議
【綿騙し編】 魅音の梨花殺し
学校で人が殺されるケースは旧ひぐらしだと初めて(罪滅し編に登場するレナのガソリンが爆発する世界線は漫画か何かで一応あったと記憶しているが、ともあれ行き当たりばったり感満載である)
【祟騙し編】 鉄平VS圭一
あの頭部への打撃と出血量からすると、DIO様がそうであったように、圭一はまともに立つことすらままならないんじゃないかと思うが、即座に反撃して鉄平を討ち取っている。
・・・という具合。まあ全体的に不自然さしかねーわって話なんである。そもそも今回の鉄平・大石凶暴化(鉄平はかなりの確率で、大石は確実に症候群であることが明示されている)自体が旧ひぐらしからすると必然性のカケラもないので、やはり世界の構造自体にリアリズムで推し量ると間違えてしまう(それこそ梨花も嵌まり込んでいる)「罠」があると思わざるをえない。
まあそれも踏まえて全体の共通部分を抽出すると、前原圭一が生き証人となっている所だろうか(全ての話で被害に遭い、全ての話で生還している)。これはまた別の機会に述べたい。
〇大石は何で血まみれバットを持っていたん??
いやつーかお前それどっから持ってきたのよ??(ヒントの示し方にしてもあからさま過ぎるやろw)
1.道端に落ちてた
2.北条家でゲット (鉄平殺害現場にて)
3.誰かを殺すために元々調達していた (つまり14話で出てくる大石は、ガンギマリになって誰かをヤッた後)
まあ『超獣ギーガー』でもない限りは、2でしょうなあ。そうなると、以下のようなことが疑問になってくる。
(A) 何で大石は北条家にいた(もしくは行った)のか?
やはり鉄平釈放に大石が関わっている可能性が高い。
(B) 北条家周辺に大石がいたとしたら、沙都子・圭一はどうして無事だったのか?
境内にやってきた沙都子と大石はグル?沙都子こそがキーパーソンであるという推理的にはこの可能性が思い浮かぶ。そうなると、「祟騙し編において(皆殺し編と同様に)「マレビト」的特性を発揮し、計画の大きな障害となりかねない前原圭一を沙都子の誘導で北条家に誘い込み、鉄平によって殺害。その間に大石が本丸である古手梨花を獲る」といった大石・鉄平・沙都子の三者共同作戦だった可能性は考えられる。
仮にそうだとすると、圭一は鉄平の強襲によって重傷を負うも返り討ちにし、その現場を確認した大石は圭一が死んだものと誤解し、バットを持って予定通り神社へ・・・という展開か(圭一の死亡確認が甘かったのは、祟騙し編の大石の関心が梨花にしか向かっていないからだろうか)。
〇「ひぐらし 業」は、やはり「梨花を殺すための世界」のようだ
これは前々から書いていることなので新しさはないが、今回の大石発言で確実になった、と言えるだろう。ただ問題は、その役割を負っている人物が「鬼騙しは沙都子」(注:これは完全確定情報ではない)、「綿騙しは魅音」、「祟騙しは大石」と全く一定しないことであり、その理由は現在考察中である(基本的には「旧ひぐらし」だと沙都子を守る側の人物であることが共通している、ぐらいか)。
〇昭和58年の「5年後」と明確に語られる (聞き間違いじゃねーよな・・・)
てことは昭和63年で、「うみねこ」の事件と同年やないけ。これは改めて、うみねこのような虚構内虚構の可能性と(だから人の生死にリアリティがなくても驚くべきことではない)、この世界にラムダデルタやベルンカステル、アウローラのような存在が影響を与えている可能性が出てきたと言える。
まあ正確には、そういった存在の意思を受けた人物が「ひぐらし 業」の世界には存在し、それが誰なのかを推理する必要がある(旧ひぐらしにおける鷹野≒ラムダデルタのように)、というところだろうか。そしてその可能性が今のところ最も高いのは北条沙都子で、次点が羽入だと考えられる。
・祭具殿の中に「カギ」がある
OPの伏線回収を含めてやはりね・・・とは思う。ただ、羽入が言っていた剣がないという事実からは、羽入の把握してる範囲を超えた出来事が起こっている可能性が高い(まあそもそもこの世界の羽入はただの残滓だから、把握できる領域もたかが知れているわけだが)。ただ、もう一個の可能性として、OPの「嘲笑った」シーンにあるように、そもそも羽入自体がアウローラとしてこの世界の生成や梨花の精神的拷問(?)として関わっており、「希望を持たせておいて実はそれが存在しない」という形で彼女をより深い絶望に叩き落している可能性はある。
・第14話で沙都子に不自然な様子なし
鬼騙し編の相討ち、綿騙し編の梨花捜索における奇妙なムーブ、そして祟騙し編では圭一を北条家に誘い電気も点けない(これじゃ誘導したみたいですやん)など、一貫して不自然な動きをしている沙都子。ただし今回の14話=猫騙し編初手では今のところ不自然な動きはないように見える。
雑多に書いてみたらこんな感じだろうか。もちろん、他にも考えられることはある。例えば、鉄平や大石にも症候群が発症したことを踏まえると、それが可能なのは薬を入手しうる富竹、鷹野、入江あたりで、このいずれかもしくは全員が「東京」もしくは山狗と共謀している可能性だってある(綿騙し編では山狗が園崎本家を家探しまでしてたくらいだし)。ただそれにしては、あまりに手口が迂遠すぎて動機づけがちょっと理解不能すぎるという感が否めない。
まあもう少し考えてから祟騙し編のカタストロフの構造を整理し、もって「ひぐらし 業」全体の世界線について考察してみたいと思う。
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