ひぐらしの奥深さを再評価する

2006-07-27 00:41:56 | ひぐらし
ひぐらしが一編ずつを八回に分けて発表し、しかもそのインターバルが数ヶ月に及んだことで人々の期待は膨らんだが、それは同時に、解答編で期待が裏切られ、ひぐらし離れをする人を少なからず生み出した。


その際に「所詮は同人か」という評価が少なからずあったということが、期待の大きさとともに批判の不当さをも表しているように思う。つまり、ある意味でひぐらしは一般の作品(すなわちコンシューマー)と同じレベルで評価・期待をされていたとともに、そこを基準に批判を受けたということである。


しかしながら、ひぐらしの表現の姿勢や盛り込まれたテーマを考えれば、やはり一般の名作に匹敵しうるだけの内容であると私は思う。たとえばサービス精神。様々な内容に手を出すことで多くのプレイヤーを獲得しようとしたという穿った見方も可能だが、DVや地域開発といったテーマも盛り込まれていることを考えれば、むしろその幅の広さをこそ評価すべきだろう。そして思いっきり趣味に走れる同人において、色々な人のニーズに応えようとした姿勢そのものは好感が持てる。それがあまりに多方面に渡ったためが特に罪滅ぼし・皆殺し編では破綻に近いレベルまで行ってしまったけれど、その態度そのものはすばらしいと思う。

今一度ひぐらしの問題編から読み返せば、少なからぬ批判点とともにその奥深さを再発見することだろう。期待外れだったとひぐらしを放棄した人、最近始めて(推理などに時間をかけず)一気に解答編までやった人、あるいは昔からのユーザーで万感の思いを込めて祭囃し編に臨む人…これらあらゆるユーザーに対し、ひぐらしの推理に多くの時間をかけてその奥深さを体感した者として言いたい。


今こそ問題編からプレイし直す時だと。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ドラクエ4:マーニャ姐さん... | トップ | そりゃあナンセンス »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
悲劇の誕生 (バイシ)
2006-07-28 01:53:24
おひさしぶりです。



全く同感です。あと一編を残すのみとなりましたが、大災害の真実がわかったとしても、まだまだ「ひぐらし」にはよくわからないところがあります。(とくに「祟」)



この作品は、「読む」ということを強く要求してきます。つまり作者の意図を読み取ることです。この点に関しては、ボゲードンさんが公式掲示板でいいこといっておられましたよね。ビジュアルファンブックで鑑識官が「警察が全ての薬を把握している訳ではない」とわざわざ書いてあるのは、これは読者への、正体不明の薬が使われている可能性を考慮して欲しいというメッセージだと。



ですが、掲示板では「警察に解からない薬はないはず」、とか「オカルトは「ひぐらし」にはない」というように最初から虚心にテクストを読まずに、枠をはめてしまうひともおられたようにおもいます。

それで怒ってしまう読者がいて、それを掲示板にぶつけてきて、それに作者が答えてしまうあたり、やはり「ひぐらし」は良くも悪くも同人なんだなあと思ってます。



ボゲードンさんは以前「読みが浅い」とおっしゃっていましたが、私は「読む」ということが全然できてないとおもいます。(言葉が過ぎましたかね?)

村上春樹が自分の小説で動物に言葉を喋らそうが、それは作者の勝手です。誰も怒らないでしょう。(竜騎士さんと較べるにしては不適切でしょうか?)でも、「ひぐらし」の読者の一部は自分の作った枠を作品が「逸脱」すると怒ってしまいます。別に竜騎士は「オカルトなしです」と言っている訳ではないのに・・・。(推理小説というジャンルから逸脱しているという指摘もありますが、新しいものは図書館の棚のどこに置いていいのか悩むのと同じことと思っております。)



予想外の展開になった方が面白いと個人的には思ってます。「皆」で自衛隊陰謀説が一部なりともあたったときはむしろ力が抜けました。竜騎士さんはいままでを見ると話をひっくりかえすのが好きなかたのようです。きっと「祭」では私なんかの予想できないラストがまっていることを期待しています。(勿論、予約済みです。)



(「皆」に関してはボゲードンさんが厳しい見解を示されているのは存じています。ですが、私は「まあ、竜騎士さんに好きに書いてもらってこちらは呑気に楽しもう」と思っているので、いいと思ってます。けれども、「祭」で風呂敷をきれいにたたんでくれなかったらやっぱり嫌ですね)
返信する
ひぐらしの欠点を把握すること (ボゲードン)
2006-08-03 00:39:02
ども、お久しぶりです。



返信が遅れてすいません。このバイシさんの記事を読んだいたら私のパッションに火がついてしまったようで…w



オカルトに関しては、必ずしも読者のせいと言えないところが難しいですね。というのも、お疲れ様会で「人為かオカルトか」で二者択一にしたりジャケに同様の煽り文句を入れたりしているからです。まあそれでも、「予言」などのイベントを都合よく解釈した点で見事にミスリードにはまっている、というのは確かですが(苦笑)



ちなみに私も「読めている」とは思っていません。ただあまりに、自分の期待を押し付けている人が多いような気がして、書かずにはいられなかったのです。また私が怒るのは、ほとんどの場合「質の悪さ」に対してです。



ひぐらしの表現・評価に関しては「ひぐらしの評価が厳しくなりがちな理由」ですでに述べた通りです。結論から言えば、他の作品と同列に扱うことはできません。



また「厳しい見解」という評価をされていますが、これはすでに書いたとおり「甘い」と自分では考えているくらいです。もし虚心に見たら、描写だけで「死ね」って言ってるかもしれませんよw



では、こんな感じで失礼します。ここ2,3日はひぐらし関連で行くので、またコメントを頂ければ幸いです。
返信する

コメントを投稿

ひぐらし」カテゴリの最新記事