森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ユリワサビ(アブラナ科)

2006年04月10日 | 自然観察日記
 思いがけないいきさつから、茨城県の袋田の滝に立ち寄った。以前から思い描いていたところだから、感慨ひとしおで、早春のこととて水量の多い見事な滝に時の経つのも忘れる想いで至福の時間を過ごすことが出来た。
 帰りがけの散策道の脇にユリワサビの花が可愛らしい姿で咲いてるのに出会った。これも思いがけない出会いであった。アブラナ科特有な十文字の花形と葉を食べてみればワサビの刺激があるから間違いなくワサビと同属なのだが、湿気の多い樹林下に多く、全体に華奢で地に伏すように茎が伸びた姿から、一目見ただけではそれと気がつくことはないかもしれない。
 越後のちょっとした沢にはワサビが結構群生している。しばしば採集し山菜として頂いている。しかし、私は越後でユリワサビと出会ったことが無い。どこかにありそうなのだが、今まで会えていないところをみると、このユリワサビは雪国が苦手なのかもしれない。