森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ミツマタ(ジンチョウゲ科)

2006年04月19日 | 自然観察日記
 香りの良いジンチョウゲの仲間で花の形を見れば同科と判るが、臭いはほとんどしない。和紙の原料として有名で西日本には野生状態になっているところがあるから在来種と思っていたが、中国原産で移入されたものであるという。古くから各地で栽培されてきたのであろう。
 名前の通り三つに枝が分かれて特徴的な姿になる。落葉性だから春早く葉の出る前に優しい黄色の花が束になって咲く。これもまた捨てがたい風情をかもし出す花だと思う。一株庭の片隅にでもあってもいいと思っていたがそんな機会が巡ってきた。
 昨年、知人が職場に生け花用に持ってきたものを一枝貰い挿し木を試みた。かなり雑に処理したせいか30%くらいの活着率でそれほど増やし易いものとは思わなかった。まだ鉢の中での栽培だが、庭に下ろして大きく育ててやろうと考えている。存在感が出てくるまでしばらく時間が必要だ。