森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

何気ない景色の中に奇跡を想う

2007年01月06日 | 自然観察日記
 ケヤキの大木に張り付いたコケ類の中にノキシノブが一株着生していました。どこにでもありそうな素材を一部分切り取った景色です。艶やかさはないけれどコケの美しさにも気づきました。
 シダもコケも花を持たない植物、それらに隠花植物という名があります。「隠」というより「無」が正しいですね。着生という性質も面白いものですが、見た目同じ緑色した植物体にも拘らず、細胞の核の中の染色体数で見るとコケは半数体シダは倍数体になっているというのも不思議な事実です。進化の長い歴史が生んだ奇跡です。