森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

マンネンスギ

2011年10月07日 | 自然観察日記
キノコを追って藪の中に分け入ると少し大きめな空間がありマンネンスギが生えていました。昔この種を知ったとき、古生代の陸上の風景はこの樹が生茂ることを想像すべきだというような話を聞いたことがあって、以来マンネンスギには独特な先入観があります。それで、たまたまこの種の生えている場所に出くわして、それも藪の中ですから姿勢を低くしていたこともあり頭の中で古生代の景観に飛んで行きました。密生しているわけでもなかったのですが目線を低くしてこの種を見るとちょっとした異次元空間です。愉快ですね。かつては10mを越す巨木もいまでは10cmにも満たない可愛い姿です。

シダ 前葉体

2011年10月07日 | 自然観察日記
ヒカゲノカズラのついでにシダ植物の話です。シダの分類は得てではないのですが、キリ通しの裸地にシダの芽生えが沢山ありました。よく観察すればどこにでもあるもので珍しいものではありません。シダは種子を作らず胞子で増えるとされています。確かにそうなのですが、この写真でも分かるとおり地面に張り付いている薄緑色のものとそこから出ている葉の子供は実は別物。色も少しだけ違いますね。地面に張り付いているのを前葉体といいます。実は染色体の数では半数の個体(半数体)で普通見かけるシダ植物(小さな葉が成長したもの)とは次元の異なる独立個体です。小さな葉を胞子体といいこれは染色体は2倍体で、この葉が出てきた根元には卵細胞と精子が受精した受精卵があった場所でこれが発芽成長してきたものなのです。
難しいですね。シダの世界もまた独特で面白い世界が広がっています。