森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ヤマトリカブト

2011年10月16日 | 自然観察日記
猛毒植物として名高いトリカブトですが花は結構遅くまであって深まる秋の散策で出会うことがあります。戸隠の植物園にはヤマトリカブトという種があり10月に入ってもよく咲いています。遅い花ですね。これから受粉して種子を作るのに大急ぎです。寒さが気になる頃でも晴れれば沢山のマルハナバチなども活動しますから、花が少ない分訪問する機会が多いのではにでしょうか。受粉の効率は結構いいのかもしれません。
キンポウゲの仲間には変わったものが多いのですがトリカブトもそのうちの一つで一度見たら忘れられない形です。この科のほかの種も同様で花びらに見えるのはがく片になります。形態は面白いのですが進化的にはやや原始的な科に位置づけられます。


サラシナショウマ 実

2011年10月16日 | 自然観察日記
これも戸隠の植物園のキンポウゲ。やや大型の草本でもうみんな結実した長い穂を出してひっそりと最後のときを待っているという風情です。トリカブトも同様ですが、キンポウゲ科の特徴的な形態の果実になっています。
標高の高いところは8月から咲き出して10月になればほとんど花は見られません。しかし、丘陵公園のサラシナショウマはまだ花は咲き出していません。11月になってもまだ花が見られます。こんなにもこの花の花期がずれるのはなぜでしょうか。高所から順次咲き出して下に降りてくるとはいうものの少し遅すぎます。遺伝的な性質が異なる種ということも考えて、注目していきたいとと思っています。