森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

オニグルミ葉痕

2012年01月13日 | 自然観察日記
新たに長岡市に合併した三島の根立遺跡のクルミの樹が今年再び亡霊のように話題に上ってしまいました。もう結論が出ているにもかかわらず、何で今頃間違った取り上げられ方をするのでしょうか。話題つくりを模索する筋が意図的に行っているようなかんぐりさえしてしまいます。
顛末はこうです。市政だより11月号に掲載されたクルミの樹、「縄文の胡桃」として売り出したいという意図が見え隠れします。これを記事にするように働きかけた人はどなたなのでしょうか。問題の樹は、縄文時代の根立遺跡から出土したとされる種子が発芽成長したものです。当時(昭和47年)も話題になったそうですが、問題はこのときの種子が年代計測もされずに縄文のクルミとして取り扱われてしまったことなのです。その後、長岡科学博物館の依頼で年代測定を行ったところ極最近のものという結論が出て、新聞報道もされたものでした(昭和50年12月)。同時に発見されたクルミの実は15個くらいあったそうですが、縄文時代のものでなく近年遺跡の上に流されて溜まった実と考えたほうが正しいようなのです。
人々のさまざまな思惑が交錯している事例のようなので私が口を挟むような問題でもありませんが、科学を冒涜するようなことは許されません。
どういうわけか昭和62年には旧三島町の文化財に指定されているのだそうです。それを長岡市が大々的に「縄文のクルミ」として取り扱おうとしているのであれば大きな問題になります。当時の関係者が事実説明と科学的データを担当者に示していますので誤った認識は訂正されることと期待しています。

オニグルミ:その葉痕は羊の顔に似て面白いですね。