越後丘陵公園では目下「雪割草まつり」の開催期間中です。あいにく今年は豪雪のため屋外の植栽群落地はまだ1m近い積雪になっていて見ることは出来ません。実は、海岸に近い大崎雪割草の里ではもう雪割草は開花しています。雪国植物園ともども3者協同でイベントを作っている関係で、公園は室内に雪割草のジオラマが作られているのです。雪が少なければ「まつり」期間中に屋外の群落も見られるのですが、今年は終ってからの開花になります。見頃は4月中旬でしょうか。
雪割草は園芸的な名称で、その仲間は日本には4種ほどあるのでしょうか、越後はオオミスミソウという種が自生していて、この種を元に様々な園芸種が作出されています。子どもの頃には海岸に近い山にはほとんどこのオオミスミソウで埋め尽くされていた場所が普通にありました。そして、単弁ではありますが同じものがないくらいにがくやしべの色の変化があって、色とりどりの花園を構成していたものです。遠い遠い記憶の話で、いまはそういう光景を見ることは稀ですね。
さまざまな色彩の花が自生していたと入っても、さすがにこの色の花は自生を見た記憶はありません。交配によって作出されたものなのでしょう。
さまざまな色彩の花が自生していたと入っても、さすがにこの色の花は自生を見た記憶はありません。交配によって作出されたものなのでしょう。
雪割草のなかでオオミスミソウは特に変化しやすい種のようです。あまりの変化で「品種」というものがありません。2段咲きと3段咲きなどという区分はあっても安定した性質をもつ系統ができないのです。この花は雄しべ(雄ずい)が半分花弁用のものに変化しています。これは発達したものは2段咲き3段咲きのものになるのでしょうか。
変異しやすいオオミスミソウは育種家にとっては面白い存在でしょう。美しい花でもあり、交配するごとに新しいものが出現する・・・バランスのいいものはびっくりするほどの値段が付いてしまいます。
変異しやすいオオミスミソウは育種家にとっては面白い存在でしょう。美しい花でもあり、交配するごとに新しいものが出現する・・・バランスのいいものはびっくりするほどの値段が付いてしまいます。
実は屋外の雪割草はもうすでに花を見せています。植栽された群生地の南側斜面に30株くらいの花が見られます。しかし、ここまで来ることが出来ません。群生地の登り口は積雪80cm以上はあり、ここから植栽地までは200m程度は程度の差はあれ雪で覆われています。除雪をする計画ですが、群生地の花を楽しむにはまだ10日は必要ですね。