ここ仙石原性地植物園では、箱根近辺の種ばかりでなく全国から様々な種も持ち込み展示されている部分もあります。園路脇に生えているとついこの地域にあるものと錯覚してしまいますから、しっかりと区分けなどした方がいいですね。これは区分けされた一角にあったトウテイランという種です。今までこの種の認識がなく、まだ花もありましたからしばし見入ってしまいました。公園の花壇にも外国種でこのような姿をしたのが植え込まれていたようにもおもいますが、これが日本の在来種なのだとかで驚きました。隠岐などにある絶滅危惧種。貴重なものを見ることができました。
後で調べて分かったことですが、海岸などの環境の厳しい場所に生育する種のようです。野生の個体が極めて減少しているようですから厳重な保護が必要ですね。この種以外に認識していない絶滅危惧種が非常に多くあります。レッドデーターブックを紐解くと初めて知る名前もたくさん出てきます。広く分布している種でも時にその地方で特異に変化した個体群がある場合はそれもリストに加えられることがあります。日本には多種多様な環境があって、多種多様な種があるということですね。多種多様であるがゆえに個体数が少ないという事情があります。