森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

赤城 覚満淵

2014年06月03日 | 風景
アカヤシオを見ようと再び赤城を訪れました。1400mを超す山域はまだ春が来たばかりで、残雪はほぼなくなったものの木々の芽生えは始まったばかり。枯れ木の森が広がっていました。大沼に隣接する覚満淵も枯れ野原で見るべきものもありません。ただ、雄大な景観は気分を爽快にし大いに癒されました。

赤城大沼を取り巻く山肌にアカヤシオが

2014年06月03日 | 自然観察日記
大沼池に通ずる句碑の小道という散策道はミズナラやカバの仲間の林で林床は明るく、しばらくはササもなく越後の山の景観とはまるで異なります。ふもとではとうにサクラの季節は終わっていますが、ここはまだオオヤマザクラが見ごろで、あちらこちらに美しい姿を誇っていました。他は一部の木々しか芽生えておらず、林床にはほとんど草の芽生えもありません。ツツジの仲間のアカヤシオを見に来たのですが、「少々季節を早まったかな?」という不安を持ちながら、大沼池に面する広場に来ました。その時です、周囲に点在するオオヤマザクラの桃色の塊とは明らかに違うものが遠く対岸の山肌に見えます。目を凝らさないとわからないものですが、時折さす日差しを受けるとより鮮明に見えてきました。あの尾根に登ればアカヤシオの群落に包まれることでしょう。

覚満淵の上部に咲くアカヤシオ

2014年06月03日 | 自然観察日記
間近でアカヤシオを見ることは最初から頭にはなかったのですが、覚満淵の木道を歩き始めてしばらく行くと、淵の上部の岩山に今まさに盛りに咲いているアカヤシオの群落が目に留まりました。思いもよらないことで、歩くこと15分程度でアカヤシオを間近で見ることが出来ました。なんという幸運!(実はそこには車道が伸びていて駐車場もあり、ここに隣接しています) 車でも来れたということは、この時知ったことで、間近で見れるなどということは夢思っていない私にとっては幸運意外何物でもありません。ただ、この時は晴れてはいるものの風が強く「ちょうちんツツジ」といわれるアカヤシオの花が横向きにしかカメラに収まりません。
ところで、私にとってはアカヤシオは深い思い出がつきまとう花、遠い学生時代に植物にのめり込んだきっかけになった花の一つなのです。これだけの群落を見たのは実に45年ぶり。ひと時、感慨にふけりました。