コバイケイソウは湿地に生える草本というイメージなのですが、こういう姿を見るとその固定概念を変えなければなりません。赤城大沼の湖岸のミズナラ林はそのほとんどがミヤコザサに林床をおおわれています。その一角に、ミヤコザサが切れるところがあって代わりにコバイケイソウが群生しているのです。特別湿っている場所でもなくスニーカーでも苦も無くはるける場所。地下水位が高いなどという目には見えない水分条件があるのでしょう。一つや二つの個体ではなく百を超す株数が群生しているコバイケイソウ、ある程度の水分条件が整わないとこれほどの群落にはなれないでしょうね。しかし、比較的乾燥地にも適応する種だということを認識しました。
コバイケイソウを従えるミズナラは奇妙な枝ぶりです。くねくねと折れ曲がっていて、素直な枝ぶりではありません。強風の影響と考えるのが一般的でしょうが、ストンと納得できるものではありません。「どうしてだろうなぁ?」と今も疑問。そういえば、こういう枝ぶりは他の樹にはあまり印象がなくミズナラに特有なもののようでした。