森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ヒメコウゾ 花

2014年06月28日 | 自然観察日記
参道の入り口近辺にはヒメコウゾの木が散見されました。谷間のせいか残雪が遅くまであったのでしょう、ようやく葉が展開し花が咲き始めてきたという状態でした。雌花は開花していますが雄花はまだつぼみ状態でこれから咲き出そうとしています。多くの両性花や雌雄同株の種は雌花と雄花の熟すタイミングが異なるように設定されていると考えられていますから、この株もそういう状態を確認できます。
ヒメコウゾの果実は集合果で桑の実と同じです。熟した色はオレンジ色でいかにもおいしそう。クワ科ではあっても果実の雰囲気はモミジイチゴに良く似ています。桑の実やモミジイチゴの味を知っていることもあって、このヒメコウゾの実を疑いもなく食べたことがありました。確かに味は甘味があったようですが、花柱が固くまるで小さな針のよう。口の中がもうたいへん、小さな針があちこち突き刺す感じで飲み込める状態ではありません。口の中が正常に戻るのに長い時間がかかった気がします。昔の話ですが、大変なものを口にしてしまったという反省で以来二度と食べていません。果実を見るといたずら心で同行者に「これ桑の実と同じだから食べられるよ」と勧めようか思ったりするのですが・・・。かわいそうだから結局いまだにやっていませんが・・・。

ヒメコウゾ 葉

2014年06月28日 | 自然観察日記
葉はクワの葉とよく似ていますから見慣れないと間違えてしまいます。クワのはより切れ込みなどは少ないようです。クワ科のカジノキとヒメコウゾの雑種が和紙の原料になるコウゾだという話です。でも、ヒメコウゾの樹皮を剥いでも似たようなものを作れると思います。