森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ヤマハハコ

2015年09月29日 | 自然観察日記
まだ開花前ですが中央に白いつぼみの塊をつけているヤマハハコが目に留まりました。本州中部以北の亜高山から高山帯に生育するキク科多年草。紫外線が強い場所に生育するためか白い綿毛が目につく種です。似た種に山地の河原に生育するカワラハハコがありますがこの高山型と考えてもよいかもしれません。キク科植物には白い綿毛をたくさん持つ種がいくつかありますが、いずれも厳しい環境に適応しているものです。キク科というグループはとても大きいグループで、多種多様な環境に進化適応した結果生じたものでしょう。それほど幅広く変化適応する能力を持ったグループなのでしょう。

ヤマハハコのつぼみ

2015年09月29日 | 自然観察日記
白いつぼみの塊、これはこれでかわいいものです。調べて初めて気づいたこと、それはこの種が雌雄異株らしいということ。キク科にも雌雄異株のものはたくさんありますが、ヤマハハコがそうだということには考えてもいませんでした。開花した花を調べなければ納得できませんが、それぞれの株が雄株か雌株ということになります。もちろんキク科の花は頭状花で管状花と舌状花でできているのが基本ですが、ヤマハハコは舌状花はないようです。