琵琶池の隣に一の沼という小さな湿地があります。その水際にエゾリンドウが綺麗な花を咲かせていました。花の大きさや株の大きさなどからエゾリンドウと考えていますが、これ以降志賀高原の各所でエゾリンドウに出会うのですが様々なタイプがあって混乱の始まりでした。
実は亜高山にはオヤマノリンドウという種がありエゾリンドウとの違いの一つが花の付き方です。上部の葉腋にのみ花がつくのがオヤマノリンドウで数段下から花がつくのがエゾリンドウとするのが一般的です。したがってこの個体は数段下の葉腋から花が見られますからエゾリンドウと考えます。
かつて巻機山で見たオヤマノリンドウは全体に華奢で草丈は低く葉なども細く花は開かず頂部にのみ花をつけるというものですが、志賀高原の個体には大きさや開花の様子はエゾでも花の付き方がオヤマというものがかなり頻繁にみられました。この群落は田ノ浦湿原周辺で見たものです。
一ノ瀬のスキー場で見たエゾリンドウの群落です。この場所の形質はほとんど典型的なエゾリンドウタイプでわずかにオヤマノリンドウタイプのものが混在していました。ただし、花付きという点だけで大きさはかなり大きな個体です。
全体に華奢で花も固くオヤマノリンドウとしてもよさそうな個体でした。しかし、志賀高原を歩いていてオヤマノリンドウがポツンとあるのもおかしなもので、このエリアにはさまざまに変異をしている個体が存在していると考え一つのタイプとして理解したほうが自然な気がします。