森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

テンニンソウ

2021年11月08日 | 自然観察日記

テンニンソウは花の遅めな種です。10月の弥彦山塊にもまだまだ新鮮な花が見られました。しばしば大群落を作るのですが花が少々地味なせいかあまり印象に残念な種です。また、茎が木化して冬腐敗しないでそのまま春まで残っていることが多くあります。春の山を歩くと何だろうと小首をかしげた時代がありました。


テンニンソウの葉

2021年11月08日 | 自然観察日記

県内のテンニンソウの分布は特異で、津川付近の阿賀野川沿い・弥彦山塊・糸魚川周辺と隔離的であとは下越地域で点々と記録されている程度です。阿賀野川沿いと弥彦山塊は強い関係性があると見られますから、テンニンソウは県の北と南に見られ中越地域には見られない種ということになります。本州以南四国九州に自生するとされるテンニンソウ、新潟県内の特異的な分布をどう解釈したらよいのかでしょうか。


チャボガヤの果実

2021年11月08日 | 自然観察日記

カヤの変種とされるチャボガヤが実をつけていました。実をみることは多くないので記録しておきました。似た種にハイイヌガヤがありしばしば共存しています。ハイイヌガヤは日本海要素の常緑地這植物といわれるもので雪国に特徴的な存在です。チャボガヤも同じ位置づけのような種ではないかと思いきや、紀伊半島や四国などにもみられるのだそうです。不思議な分布をしています。