話には聞いたこともありますが青い色のアマガエルを発見しました。アマガエルは環境に合わせて色の変化を起こしますが、この色は稀です。色素の何かが欠けた個体なのでしょう。本来の色も背中後部に見られます。草原なの中にあっては他の蛙に比べ目立つでしょうから生き残る確率は低くなると考えられます。
アマガエルは非情に増えています。トノサマガエルのように常時水がないと生きていけない種とは違い、渇水状態でも適応できる能力を持った種のためですね。稲作で水田から水を落として乾かすという栽培方法が普及したために、かつてのトノサマガエルを主にしたカエルの生態がアマガエルに取って代わったといわれています。
小さなカマキリが草の上に乗っていました。葉の色と同じ色のためなかなか見つけられないものですが、この時期はいたるところに生活していますから探せばそれなりにみつかることでしょう。カマキリは子供と成体は同じ形をしていて、脱皮するごとに大きくなる不完全変態です。これで2cmくらい。小さいながらハンターの風貌を持っているようです。雄が交尾期に雌に捕らえられて食べられることもあるという話は有名ですね。
久しぶりに出会ったタマガワホトトギスの群落です。たきがしら湿原を取り巻く林の適湿地に見られますが、これはまさしくここの住人。環境さえ合えば何もしなくてもその種そのものの力で見事に適応します。
旧棚田跡の放棄地を人の手で憩いの場として復元させる営み、完全な自然とはいいがたいものを作り込む違和感を持ちながら答えの出ない問題に悩んでいます。
旧棚田跡の放棄地を人の手で憩いの場として復元させる営み、完全な自然とはいいがたいものを作り込む違和感を持ちながら答えの出ない問題に悩んでいます。
たきがしら湿原を取り巻く森の中、園路沿いに一際目立つオレンジの花。フシグロセンノウです。ちょっと驚きです。県内にもあっていい花ですが、はたしてこれは自然のものか判然としません。かなり低海抜の分布で隔離しています。植物同好会「じねんじょ」の調査では県内には苗場山近辺でしか確認されていない代物です。ここは各地のものを持ち込んで作っているということで、分布ということは意識しないほうがいいようですね。
里山でよく見かける花です。「ウツボ」が弓矢に関係する道具の名前であることを知らなかった頃、魚の「ウツボ」を想像していましたから、どこがどう「ウツボ」なのか不思議に思っていたものです。
シソ科独特な花が数段にわたって360度の方向に整然と並んで咲いている姿は、どこから攻めてこられても対応できる戦の陣形に似て兵士が並んでいるように見えてしまいます。
シソ科独特な花が数段にわたって360度の方向に整然と並んで咲いている姿は、どこから攻めてこられても対応できる戦の陣形に似て兵士が並んでいるように見えてしまいます。
一つ一つの花を見ていくと、合羽をかぶった人のようにも見えてきます。先っぽにちょこんと雌しべが飛び出ているのが面白いですね。結構ハナバチなどが訪れて吸蜜している所を見かけます。適度に刈り込みなど荒らされる環境が必要なようで、放置された草原などでは高茎草本に覆われると消えてしまいます。
白花品も時には自然界に出現します。このたきがしらで白花を見つけたときは、ちょっと興奮しました。でもそれがいたるところに出てくると、少々興ざめ。ここは園芸種を植え込んで作り上げた所だった・・ということを思い出しました。
そういうわけで、こういう立派な花も植栽されています。花壇として植えられているのではなくて、いかにも自然状態のままに植えられているものですから、少々困惑してしまいます。私の感性からすると不自然な感じがするのですが・・。
生育がいい場所では葉などが株立ちになって水面から出ています。花もその間から覗いているのですが、それほど大きな花ではないものの鮮やかな黄色の花は良く目立ちます。見え隠れする花を木道を歩きながら楽しみます。ヒツジグサと同じくスイレン科の種ですがかなり雰囲気が違いますね。
阿賀町の奥、福島県境に近いところにたきがしら湿原という里山の放棄水田をベースにして人為的に作られた湿地があります。丘陵公園の湿地の維持管理の参考と秋の自然散策の候補地にと考えていますからその視察を兼ねて行って来ました。
奥深い山が背景にあるために豊かな水が湿原を潤している様子で、植栽された植物が機嫌よく生育しているようすでした。ミツガシワやコウホネ、ヒオウギアヤメやノハナショウブなどもともとあった種が基本ですが、ボランティアの手も借りて苗の植栽を継続的に行っているとのこと。ただ、夏場はカヤやコウヤワラビなど資源植物以外の繁殖が旺盛でこれらを除去する刈り払いが大変そうでした。しかし、春や秋の観光季節はそれなりの人が訪れる場所になって来たようです。