夏場は花が少なめですが、ヒツジグサが咲いていました。未(ひつじ)の刻(午後2時頃)に咲くことから付けられたというのは良く知られている話ですが、確かにこの写真を撮ったのはそんな時間でした。近くで見ると清楚でなかなか立派な花です。
水生の植物は花を咲かせるときには完全に水から出て開くのが普通なのですが、この花は水中ですでに包葉が割れ花弁がむき出しになっています。水位が急に上がったわけでもないのですが、花茎の伸長と包葉の裂開のタイミングがずれてしまったようです。水中で咲いてしまっては花粉などが死滅してしまうでしょうから、せっかくの花も徒労に終わってしまいます。何%かは問題が発生して本来の目的を達成できないものもあるのでしょう。
花の変わりにトンボやチョウの数が目立って増えています。これはスジボソヤマキチョウというシロチョウ科のチョウです。この淡い緑色がとても綺麗です。でも、動かないと回りに溶け込んで容易に見つけることは出来なくなります。似た種にヤマキチョウというのがいるのですが翅の尖り方が鋭いことからスジボソと判断しています。あまり飛翔するのが特異でないのか直ぐに花や葉に止まってしまいます。
春に出現した個体とはかなり様子が異なってきました。世代交代をしたのでしょうか。いわゆる夏型というタイプの個体が舞っています。春型に比べやや大きく赤みがないので区別できます。タテハチョウ科のチョウです。
あまり翅を広げて止まることが少ないのですが、偶然コンクリート敷きの軒に飛来し翅を広げて休んでいます。何をしているのかよく分かりませんが、ときどき手の届くような範囲に訪問してくれるのも自然が豊かになってきている証なのでしょうか。だとしたら嬉しい頃ですね。
ヒョウモンチョウも何種かが舞っています。丘陵公園に多いのはメスグロヒョウモンでオカトラノオの花に群れて吸蜜しているのをよく見かけます。これはオスの個体でメスは文字通り黒っぽい紋様のチョウで、一見同じ仲間とも思えません。
ツツジの仲間です。里山には普通あるのですが、気をつけないと見逃してしまいます。これはつぼみといいますか、咲いていない状態です。この日はあいにくの雨でいろいろな花がつぼんでいる感じでした。この姿も愛らしくていいのですが、陽に当たるとくるくる巻いた花弁が見られます。これも変わった性質です。秋には赤い可愛い実をつけます。食べても大丈夫なはずです。
丘陵公園の里山にはユリが咲き始めました。そのなかで目立つのはクルマユリです。クルマユリは高山植物として扱われることが多いのですが、越後では低山に生育する場所が結構あります。そういう意味で貴重種ですね。オレンジ色のやや小型の花は森の貴婦人といったところ。品の良い艶やかさが森の中で輝いています。
ほぼ野生状態で里山には花が見られます。上品な感じはやや劣りますが、里山らしい泥臭さがあるといったら怒られるでしょうか。シャガなどと同じようにかなり古い中国原産の移入植物とされています。種子が出来なくて栄養繁殖をします。人為的な作用がほとんどなのでしょうが、塊状になった根での繁殖が旺盛なため全国各地に広がったとされています。すっかり日本の自然の中に溶け込んでいます。
オオバギボウシが終わりこれからはコバギボウシが花を見せます。オオバギボウシの重量感あふれる花よりコバギボウシのほっそりとした清涼感あふれるほうが私は好きですね。
それはそうとギボウシは花は下向きに咲き、しべはみんな反り返っているのが面白いですね。マルハナバチなどのポリネーター(花粉運搬者)の行動を上手く読んでの適応なのでしょう。それにしても雌しべが雄しべと離れた位置に湾曲して配置しています。どんなポリネーターがどういう行動をしてここに雄しべの花粉を運んで擦り付けるのでしょうか。(自花受粉なら確実に出来る構造のようです)
それはそうとギボウシは花は下向きに咲き、しべはみんな反り返っているのが面白いですね。マルハナバチなどのポリネーター(花粉運搬者)の行動を上手く読んでの適応なのでしょう。それにしても雌しべが雄しべと離れた位置に湾曲して配置しています。どんなポリネーターがどういう行動をしてここに雄しべの花粉を運んで擦り付けるのでしょうか。(自花受粉なら確実に出来る構造のようです)
花が少ない時期にシモツケの花が一株植えられていて、その花がとても輝いています。古くからの山道の脇ですが、自生のものではなくて誰かが植えたものでしょうか。周りの木々が大きくなってかなり日当たりが悪いので、株の状態は余りいいとは言えないようです。時間とともに衰えていくのではないかと思いますが、今は緑一色の世界の中で赤い花を誇示し存分に存在感を示しています。(シモツケソウは草本、シモツケは木本です。ともにバラ科)
丘陵公園の健康ゾーンの一角にバラと草花のエリアというのがあって、そこにある水辺にヒメガマが咲いていました。たまたま通ったときに見つけたものですが、長岡辺りにはまず見かけないものですから紹介します。ガマとの違いは、小柄であることと何より雄花と雌花の間が空いているということですね。県内にもあるのでしょうか、あいにく私は自生を見たことがないのです。