森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ヒロハユキザサ 実

2011年09月23日 | 自然観察日記
同行された方がユキザサというので「そうか」と鵜呑みにしましたがどうも違和感があります。歩きながら自分の辞書をめくっていて違和感の理由が分かりました。ユキザサの実は赤く丸いのにこの実は丸くありません。「ユキザサの実はもっと赤かったのに・・・。これから赤くなるのか?実の形も変だなぁ・・・」
実はこれはヒロハユキザサという種なのですが、この種の熟した実の色を見たことが無かったのです。少なくともこの橙色の状態を見たことがありませんでした。蒼い実だけを見ていた私にとって、ユキザサといわれて一時でも納得してしまった自分の不勉強を思いしらされました。まだまだ実物を観察しながら歩かなければならないんですね。春夏秋冬を問わず・・・。

ヒロハユキザサ

2011年09月23日 | 自然観察日記
最初に出合ったヒロハユキザサが小さな個体でユキザサと勘違いするほどのもの。写真に収めたこれなら立派なヒロハユキザサです。もっとも、小松原湿原ほどの高所にユキザサがあるということはあまり考えられませんからうかつといえばうかつです。この個体には実の止まりは悪いのですが、まだ蒼い実が一粒ありました。ヒロハユキザサの実は赤い(橙色)ということを学んだだけでも今回は価値ある山行でした、

イワショウブ 1

2011年09月22日 | 自然観察日記
8月の花ですからこの季節は残り花というところなのですが、案外沢山咲いていて盛りを過ぎたばかりの感じです。9月は残暑が厳しく長かったせいもあるのでしょうか。温暖化のために花期がずれてきている・・・・?その真偽は別として訪れた私にとってはありがたい光景でじっくりと堪能させてもらいました。

イワショウブ 2

2011年09月22日 | 自然観察日記
しかし、やっぱり秋は秋。果実が赤く色づく様子は草紅葉の始まりと共に湿原の秋を演出しています。イワショウブの実の色がこんなに綺麗な赤い色だということを今回つくづく知りました。

ウマバチソウ群落

2011年09月21日 | 自然観察日記
湿原を彩るもう一つの花がウメバチソウです。ミズゴケ湿地の中に星をちりばめたように咲いている姿は感動ものです。もっともこの花は林道の半裸地状態の場所にも結構沢山見られますから、湿原の花という限定的なイメージの持ち主ではありません。この季節に咲く亜高山の花といったほうが相応しいかもしれません。

ウマバチソウ 花の拡大

2011年09月21日 | 自然観察日記
ウメバチソウとは洒落た名前です。梅の花を連想させることは確かですね。良く見ると風変わりな構造をした花で、雄しべの脇に先が細かく分かれて先に丸い粒(腺体)を付けたものが5個あります。これを仮雄蕊(ゆうずい)というのですが、花弁は5枚、雄しべは5本と5を基本とした構造でになっています。それで、仮雄蕊(ゆうずい)のはたらきは何か?ということです。先が細かく分かれて腺体になっている部分から虫をひきつける物質でも分泌されているのなら納得もしますが、そういう話は聞こえてきませんね。

オヤマノリンドウ 1

2011年09月20日 | 自然観察日記
この季節、小松原湿原を飾る花の一つがオヤマノリンドウです。澄んだ青が本当に美しい花です。木道の直ぐ脇に多く見られるのはどうしてでしょうか。モウセンゴケのように湿地全体に広がっている風でなくせいぜい2~3m範囲といったところに点々と開花していました。

オヤマノリンドウ 2

2011年09月20日 | 自然観察日記
花の時期が終った株です。このリンドウはあまり大きくならずせいぜい30cmくらいで20cmくらいの個体が多いですね。直立性です。里山のリンドウはものに寄りかかって生長する性質があるのと違って凛とした気品も感じられます。

オヤマノリンドウ 3

2011年09月20日 | 自然観察日記
この個体は立派でした。花数が多いことと茎の高さが30cmは超えていて、見るからに栄養状態がいい個体でした。このリンドウの特徴の一つが花は茎の上部にかたまって付くところです。気温も上がってきたのでしょう、おちょぼ口みたいな口をあけて開花が始まりました。大きく開口することはありません。

モウセンゴケ 1

2011年09月19日 | 自然観察日記
モウセンゴケはもともと赤い色素を多く持つ種ですから紅葉というのは相応しくないのかもしれませんが、しかしやっぱり色鮮やかに見えます。ミズゴケのマットの上に赤く点在する風景も湿原の景色の一つ。小松原湿原はモウセンゴケの個体数が多い気がしました。

モウセンゴケ 2

2011年09月19日 | 自然観察日記
近づいて観察してみるとモウセンゴケも紅葉しているようです。緑色の部分がほとんどありません。赤い色素が多いとはいえ葉緑体が勝っている部分があって腺毛の基部などは緑色になっているものです。
食虫植物は湿地に生息しているのがほとんどです。なぜでしょうか。高山湿地はも腐植などの分解が進まないために栄養不足になるのですね。そこで小さな昆虫を捕まえて消化分解して不足の栄養素を吸収するという説明になります。もっとも必要なものはタンパク質のもとになる無機窒素です。
独立栄養と位置づけられる植物もよくよく調べるといろいろなアウトサイダーが存在します。寄生植物、半寄生植物、腐生植物と食虫植物ですね。一筋縄ではいかない植物の世界、奥が深くて興味が尽きません。

小松原湿原 上屋敷池塘

2011年09月18日 | 風景
上屋敷の池塘(ちとう)、別名「餓鬼のたんぼ」は様々な顔を持っています。特別大きなものは無いのですが、驚いたのはその深さです。木道脇の池は1mくらいはありました。浅いののもありますが概して深く神秘的な色をしています。空の雲を映していい感じです。

ルリボシヤンマ産卵

2011年09月18日 | 自然観察日記
湿原の夏はもう終っていると思うのですが、まだまだトンボが元気でした。これはルリボシヤンマが池塘に産卵している様子です。トンボ類は眼で見ることは簡単でも写真に収めるとなるとなかなか手こずります。先を急ぐような場面では全く写真になりません。今回は比較的上手くカメラに収まってくれました。デジカメの望遠ではこの程度の解像度が精一杯でした。

小松原湿原 秋 下屋敷

2011年09月17日 | 風景
機会があって久しぶりに小松原湿原に行ってきました。規模的には尾瀬にには劣るかもしれませんがすばらしい湿原です。津南のグリーンピアの脇から湿原に向かう林道があります。途中ゲートがあってそこから歩き出すと2時間はかかるのですが、運良くゲートを管理する方の案内を受け往復4時間の散歩を楽しむことが出来ました。湿原はもう紅葉が始まっていて木々の紅葉と草紅葉の色付きを堪能しました。秋晴れとまではいかないまでもさわやかな風に包まれての至福の時間です。
小松原湿原は大きく3つのエリアに分かれます。下から下屋敷、中屋敷、上屋敷です。上屋敷を過ぎた林の中に無人の小松原小屋があります。ゲートから歩き出す人はここで泊まってゆっくりするのもいいものです。この写真は下屋敷の湿原風景です。

小松原湿原 秋 ミネカエデ黄葉

2011年09月17日 | 自然観察日記
色づきだしたミネカエデ。小松原湿原の植物は多くの種がありますが、尾瀬では有名なニッコウキスゲやミズバショウは無いようで湿原を彩る種がかなり異なります。ここで多いのがベニサラサドウダン。雪解けの7月がきっとすばらしい光景になるはずです。(もうここには二桁は来ているのにそのドウダンツツジを見たことが無いのです)花も素敵なのですがサラサドウダンの紅葉もすばらしいのですが、まだその季節ではなかったようです。