森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ワルナスビ 花

2011年09月04日 | 自然観察日記
細菌目だって多くなってきたと感ずる帰化植物がこのワルナスビです。畑などを放棄した適湿地に気が付けばワルナスビに占領されているという光景に出会います。花を見れば愛らしいナスの花、一輪挿しに小さな一枝を差しておけばそれなりの風情はあるかもしれません。しかし、トゲトゲに覆われているうえやたらに増える庭の雑草で手こずっておられる方も多いはず。名前からして悪い印象しか与えない存在になってしまいました。

ワルナスビ 実

2011年09月04日 | 自然観察日記
まだ青い実ですが熟すと黄色くなります。ナス科の植物は有用植物と有毒植物が混在していていますから野生のトマトという感覚で口にすることは御法度です。ワルナスビは有毒植物とされています。でもちょっと摘んでみたい気がする実ではありますね。


ワルナスビ 群落

2011年09月04日 | 自然観察日記
群落といえば聞こえはいいのですが、ワルナスビに占領された場所です。他の植物が見当たらないので生育抑制物質でも作って周辺に撒き散らしているのでしょうか。しかし、この群落2・3年放置したらどうなるのか興味があります。ワルナスビの群落が維持され続けるとは限らないのです。この場所は近々刈り払い機で草刈されそうなところで遷移を見るような場所ではありません。

ヘラオモダカ 花

2011年09月03日 | 自然観察日記
あまり手入れされていない湿地に普通にあるヘラオモダカです。葉の形がへら型で、葉が矢じり型のオモダカよりは花は小さめですが可愛い花を見せています。少し桃色がかっているのがいいですね。農薬のせいでこの類の水草は身の回りからなくなりました。
昔は厄介な雑草扱いのものが今は貴重なものになっているケースがあります。農薬を使わなくなると一気に増殖してきます。
花弁は3、雄しべは6、雌しべはまとまって1。いずれにせよ3を基本にした作りになっていることが分かります。


ヘラオモダカ

2011年09月03日 | 自然観察日記
ヘラオモダカは見てのとおりほとんど目立たない水草です。他の草にまぎれてどの個体か見分けられますか?良く見ると根際の葉がヘラ状であることがわかります。花は小さいですね。

ヤブガラシ 1

2011年09月02日 | 自然観察日記
ビンボーカヅラともいわれ嫌われ者の一つ、ヤブガラシです。どこにでも生えている厄介者で、藪をも枯らすほどの勢いで覆い尽くしてしまうつる性植物。それでも花はなかなか捨てがたい味を出します。けっこう可愛いではありませんか。小さい花ですが、オレンジ色に咲き出して、次に桃色に変わります。さらに過ぎると白くなって目立たない状態になります。

ヤブガラシ 2

2011年09月02日 | 自然観察日記
少し分かりにくいのですが、雌しべの長さが橙色花→桃色→白花と次第に長くなるのがわかるでしょうか。雄しべは桃色花の段階ではもう落ちてしまっているようです。蜜の分泌も認められてポリネーター(花粉媒介者)を呼び寄せます。受粉させるときに雄しべと雌しべが一緒に無いほうが良く、最初に雄しべの花粉を付着させそれを脱落し長い雌しべで花粉を受け止めるという戦略のようです。巧みですね。

ミソハギ 1

2011年09月01日 | 自然観察日記
お盆のときに良く利用される花で園芸種のように扱われるのですが列記とした野生種です。とはいっても純然たる野生種を確認したことが無いので、湿地に生えているものもほとんどは植え込まれたものかもしれません。これも縄文の森に接した湿地に生えていたもので人の手が加わっています。

ミソハギ 2

2011年09月01日 | 自然観察日記
ミソハギの花は結構不思議な花です。雌しべの長さがいろいろあって長い長花柱花、短い短花柱花やその中間もあるのです。雄しべも長いものと短いものがあり葯の色が違っています。この写真で分かりますか?つぼみの形もユニークな形をしていますね。