森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ハルシャギク 群落

2011年09月10日 | 自然観察日記
これは信濃川河川敷にあった群落ですが、7月下旬の大雨で激流の下になったものです。その前には当たり一面オレンジ色の花で覆われていた場所で、激流にもまれながらも生き残ったものが再び花を見せていました。強いですね。ハルシャギクは帰化植物で道路沿いなどにしばしば目にすることが出来ます。異国の地で生き残るにはそれなりの強さの秘密がないと駄目なのでしょう。帰化植物であっても目くじらを立てないような存在で、花が鮮やかなので庭に植えられていることさえあります。

ハルシャギク 花

2011年09月10日 | 自然観察日記
遠目にはオレンジに見える花も近づいてみると黄色と赤色の蛇の目模様。北米原産だそうで園芸用に移入されたようです。それにしてもこの強烈な花の紋様は何を目的に出来上がってきたのでしょうか。短い観察でしたが訪れる虫は小さなものばかりでこの模様の効果を納得させられるようなことはありません。もともとの故郷ではそれなりの意味があったのでしょうか。

シロバナツリフネソウ花

2011年09月09日 | 自然観察日記
2年前に里山フィールドミュージアムで見つけた白花株をもとに今年はおよそ1,000個体を作って園内に移植しました。普通種の赤(紫)花株からやや遅れ気味に白花株が花をつけています。移植密度が少ないせいでしょうかややボリュウムに欠けますが、これから10月半ば頃までは白花種の花が楽しめると思います。丘陵公園の秋の目玉になるように育成面積を拡大していくつもりです。信頼する知人から花言葉をもらいました。「叶う愛」「忍耐」。何年後かには万の単位の群落が出来れば越後の花ポイントに入れてもらえるかもしれませんから、忍耐強く育成していくつもりです。

シロバナツリフネソウ群落

2011年09月09日 | 自然観察日記
しかし、思い通りに展開しないのが生き物を扱う難しさで、白花の種子を蒔いたつもりが赤い株が出てしまい、その割合が結構あります。未開花株がありますから正確にはいえませんがおよそ1/4~1/5。その出現率の多さに戸惑っています。マルハナバチが盛んに来ることから赤花花粉がどんどん入り込んでくるのでしょう。白花種を維持するには一工夫も二工夫もしなければならないようです。


ミクリ 群落

2011年09月08日 | 自然観察日記
朝日池には湿地の植物を見に来たのですが、久々にミクリを発見しました。造成された一角にミクリの群落が出来ていて、多くはもうその盛りを過ぎ枯れ始めていたのですが部分的に群落の様子を見ることが出来ました。倒れかかった茎にはハラビロトンボなどが体を休めています。

ミクリ 実

2011年09月08日 | 自然観察日記
残念ながら花は残っていなくて見ることが出来ませんでしたが、名前のとおり栗のイガみたいな果実がいくつもついています。ミクリは「実栗」、言い得て妙といったところ。すっかり見なくなった種ですがあるところにはあるのですね。

モンキアゲハ 1

2011年09月07日 | 自然観察日記
夏も終ってそろそろ秋の気配。柿崎の朝日池に出かけました。そこで迎えてくれたのがモンキアゲハの舞です。デジカメでその舞姿を必死で捕らえては見たもののどれも絵になりませんがなんとかそれらしいのがこの一枚。分かりますか?

モンキアゲハ 2

2011年09月07日 | 自然観察日記
クサギの花に止まっているもう一頭を見つけました。もう見る影も無い痛々しい姿で最後の営みを感じます。
このモンキアゲハ遠い昔の思い出があります。子どもの頃は私が住む長岡の信濃川右岸では見ることが出来ない蝶で(今もそうですが右岸の西山丘陵では舞い込むことがあります)、図鑑などを見て憧れていたものでした。何かの記載に新潟県内にもいるというようなのがあって探し回ったものです。海水浴場で賑わいを見せた頃、信越線で柏崎と柿崎の間にある米山近辺に行く機会がありました。ここで思いもかけない出会いがあったのです。そのときの衝撃と感動は未だに残っています。網を持って再びこの地を訪れ捕獲した1頭が未だに標本箱の中に納まっています。

カマキリとイナゴ

2011年09月07日 | 自然観察日記
偶然目に留まったガマの葉にカマキリとイナゴのペアの対峙の構図。しばらくその後の展開を見守っていましたが、私の気配が両者の気をそらせてしまったのか動きがありません。しかたなくそっとその場を離れましたが、その後の結末はどうなったかはわかりません。獲物として捕らえたのか、あるいは逃れたのか・・・。身近な場所で厳しい自然の営みが繰り広げられています。不思議です。しかし、また素敵なことですね。

サマツモドキ

2011年09月06日 | きのこ・菌類
キノコが面白くなりつつあります。この日はサマツモドキを発見。綺麗なキノコですね。毒キノコとされていますが毒抜きして食べる人もいるとか。食べなくとも観賞用でもいいキノコです。園路の木枠辺りから発生していましたから木材腐朽菌のようです。里山ではあまり発生しないキノコかもしれません。

サマツモドキ 裏面

2011年09月06日 | 自然観察日記
ヒダが綺麗な直線美を演出しています。細かなヒダが特徴的ですね。このヒダから生成される胞子はおびただしい数になるはずです。ちょっと計算できませんが・・。そのうちの何粒の胞子が次世代に命をつなげるのでしょう。胞子生殖という子供を無性的に作る方法は一見合理的で爆発的に増殖できそうですが、実際はそれほど効率がいいものでもなさそうな気がしています。

カラカサダケ

2011年09月06日 | きのこ・菌類
写真がよくとれていませんがひさしぶりのカラカサガケです。大きさは25cmくらいはある立派な代物なのですが老菌でもうカビにやられていました。

カラカサダケ 傘

2011年09月06日 | 自然観察日記
真上から見たもの。直径15cm以上はあろうかというもの。柄の上部には大きな襞がついていて本種の特徴を現しています。キバナアキギリが群生する山の斜面に発生していました。ものの本によれば美味しいきのこということになってはいますが未だに口にしたことがありません。この個体も古くて食用の対象ではなかったのが残念でした。

カンガレイ

2011年09月05日 | 自然観察日記
湿地に生息する大型のカヤツリグサ(ホタルイ属)の仲間。大きな株になって水中に点在する光景はいかにも豊かな湿地であることを印象付けます。サンカクイとの違いは花穂に柄があるかないかで見分けます。地味な存在でもトンボの止まり場所なんかで大切なんです。もちろん水質浄化などのはたらきもあると思います。

カンガレイ 花

2011年09月05日 | 自然観察日記
花をアップで撮りました。いくつかの花が集まって楕円形の花穂を形成しています。先端の白いひげ状のものは雌しべ、基部には雄しべの葯が見えています。つまり、花穂の先のほうが♀、基部が♂です。カヤツリグサのスゲなどはこの逆で先端が雄花(♂)で基部が雌花(♀)になっています。